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レポート
LPガス料金問題検討会最終報告
目次
1.趣旨
2.LPガス料金に関する基本的考え方
(1) 自由料金であるLPガス料金
(2) LPガス販売事業の公共性
(3) LPガス市場における競争の評価(その1:LPガス取引における構造的な特徴)
(4) LPガス市場における競争の評価(その2:各種報告書等における指摘)
(5) LPガス市場における競争の評価(その3:最近における競争促進の状況と問題点)
3.LPガス料金について指摘される個別論点
(1) 料金情報の十分な提供
(2) 料金設定についての合理的な説明
(3) LPガス料金における需要家間・地域間格差
(4) 消費設備費用負担を巡る問題
(5) 都市ガスとの比較
(6) 小売価格の下方硬直性
(7) 原料費(輸入価格)が小売価格のわずか1割であること
4.LPガス料金透明化に向けての提案
(1) 料金情報提供のあり方
(2) 消費設備コストの位置付け・契約の明確化
(3) 三部料金制等の採用
(4) 需要構造に合わせた料金体系の研究
(5) 原価計算実施の検討
(6) LPガス料金に対する消費者意識の向上
(7) LPガス料金の情報提供に関する行政等の取組み
5.終わりに
1.趣旨
(1) 我が国LPガス販売事業は、山間地域及び島嶼部を含めた日本全土に供給しており、総世帯の55%にあたる2500万を超える世帯にとっての生活に不可欠な重要な家庭用エネルギーであるLPガスの供給を担っている。この意味で、LPガス販売事業は公共性の高い性格を持つ事業であると言える。これが、LPガス料金に対する消費者及び行政(国、自治体)の関心が高い所以である。
(2) LPガスの料金については、従来から、料金体系が不透明であり、これがLPガスの一般家庭向取引が非競争的であることの主要因であるとの指摘がなされてきている。平成9年4月の改正液石法(液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律)の施行に伴い、同法第14条の交付書面において料金を含む取引条件を明確化することが義務付けられた。これに伴い、LPガス販売事業者においても料金透明化に向けた一定の取組みがなされてはいるものの、依然としてLPガス料金の不透明性の指摘を払拭できるほど改善が見られるとは言い難い状況である。(注;昨年6月の公正取引委員会の報告書及び同年7月の規制改革委員会の論点公開参照)
(3) こうした状況の中、昨年10月にとりまとめられた「LPガス取引適正化・料金透明化に向けた措置」(アクションプラン)において、LPガスの料金制度のあり方についての基本的考え方及び現状の問題に関して改善すべき点について検討するため、料金問題検討会の開催が提案された。これを受け、本年2月より、事業者代表、消費者代表、学識経験者等から成るLPガス料金問題検討会を開催することとした。
本検討会の開催に当たっては、LPガス料金透明化及び取引適正化に向けた販売事業者の取組みを促進するとともに、LPガス料金に対する消費者の理解を増進することを目的として検討を行ってきたところである。検討に際しては、LPガス料金はあくまで自由料金であることから、料金の水準そのものについての議論は行っていない。
(4) 本検討会においては、一般家庭用に小売販売されるLPガスの料金のあり方についての基本的考え方を整理するとともに、LPガス料金をめぐり指摘がなされる不透明性等の個別論点について分析を行った上で、今後、料金透明化に向け販売事業者を中心に取り組むべき課題について検討した。
去る4月に、検討結果を中間報告としてとりまとめた後、消費者団体、販売事業者団体、関係行政機関、地方自治体等を通じて広く意見を求め、今般、これらの意見を踏まえ、以下のとおり最終報告としてとりまとめたところである。
今後は、本報告書の提言内容について、関係者による積極的な取り組みが行われることを期待するとともに、その実施状況の把握にも努めることとしたい。
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2.LPガス料金に関する基本的考え方
(1)自由料金であるLPガス料金

 公益事業である電気事業、都市ガス事業については、大規模な設備投資を要することから、重複投資による社会的損失が生じないように供給区域を設定し、販売事業者に供給義務を負わせた上で地域独占を認め、料金については認可制を基本とし、さらに公表義務を課している。 LPガス事業については、自由競争の下で市場原理に価格決定を委ねることにより、最適な価格水準が実現できるという考え方から、料金に関する法的な規制は課されず、一定要件の下で登録を受けた販売事業者によって、各々の経営方針に基づいて自由に設定された自由料金による販売が行われている。ただし、液石法第14条の交付書面において、消費者に対して料金を含む取引条件を明確化すること等が義務付けられている。 したがって、販売事業者毎に料金が異なるのは当然であり、同一のLPガス販売事業者が消費者毎ないしは営業区域毎に異なる料金でLPガスを販売したり、LPガス販売事業者が原価計算によらず料金を設定することも基本的に問題はない。

(2)LPガス販売事業の公共性

 一方、LPガス販売事業は、冒頭にも述べたように2500万世帯の生活エネルギーを安定供給するという経済的社会的使命を担っており、「日常生活に不可欠な財・サービスを提供する」という意味で、それを使用する消費者にとって公共性が高いと考えられる。 こうしたことから、自由料金による販売が、市場競争が不十分であることに起因して、何らかの弊害をもたらしているとすれば、独禁法の適用により競争制限的措置を排除することはもちろん、LPガス販売事業についても料金を含めた取引面に関する規制を行うべきとの考え方もありえよう。 しかしながら、昭和20年代後半にLPガス販売が行われてこのかた、LPガス料金の規制があったことは、第一次石油危機の際の石油緊急対策の一環としての価格規制(注:国民生活安定緊急措置法に基づく標準価格の設定など)を除いてはなかった。さらに昨今の規制緩和の流れの中では、規制の導入を安易に行うのではなく、むしろ市場競争が健全に行われるための方策を検討することが適当と考えられる。

(3)LPガス市場における競争の評価(その1:LPガス取引における構造的な特徴)

(1) 家庭用LPガス取引は、一回毎の売買で取引が完結する他の商品と異なり、ほとんどの場合、販売事業者と消費者とは長期継続的な取引関係にある。これは、
1) 販売形態がメーターによる体積販売であること(注:昭和48年の液石法関係法令の改正により、それまでの重量販売から、原則メーターによる体積販売が法制化された)、
2) 販売事業者に対する保安規制により、販売事業者が安全器具も含む供給設備や保安業務を提供すること、 によって形成されてきたものである。
 販売事業者は、まずは、事故を起こさない質の高い保安サービスを提供することが重要であると考え、消費者もそれを期待してきた。長期継続的に取引を行えることを前提に、販売事業者は保安規制強化に対応して、安心して保安設備の投資を行ってきたのである。これらによって、販売事業者は、消費者が安心して安全にLPガスを利用できるよう責任を負うことができ、世界に例を見ないほどの事故率の低さを実現してきたといえる。 しかしながら、取引という面では、長期継続的な取引を守りたいとの考えから、お互い他の販売事業者の顧客は取り合わないという相互理解が販売事業者間に生じ、一度獲得された顧客は固定化される傾向となっていった。こうした取引構造の下、他の販売事業者の顧客を獲得するための価格競争は行われない場合が多く、料金の透明性も確保する動機が働かなかった。 価格競争を活性化させるために現在の販売慣行などを見直す余地がないかどうかについては、検討の余地があろう(例えば、消費者による供給設備の買い取り、バルク供給におけるLPガスの売り切り販売)。

(2) これに対して消費者は、LPガスが電気、都市ガスと同様、継続的な取引関係を有していること、多くの場合、消費者の家屋入居時には既にLPガス供給設備が設置されていることから、LPガス販売事業を公益的事業と認識し、LPガス料金についても、自由料金ではなく、一種の公共料金であると思っていることが多い。また、LPガスの供給を受ける際に消費者自らが販売事業者を選択したという認識は薄く、自由に販売事業者を選択できるということを知らない場合が多い。

(3) LPガス販売事業者の中には、価格競争が活性化し、継続的取引ができなくなると供給設備に対する投資を回収できなくなることや、保安コストを削減するため保安の取組みが疎かになると主張し、情報開示に消極的な販売事業者も多い。しかしながら、消費者によるLPガス販売事業者の選択は、料金水準のみではなく、保安サービス、さらには付随する生活提案サービスを基に行われるものであり、販売事業者は消費者の選択に供するために、料金及び保安等サービスの両面から十分な情報を開示していくべきであろう。 仮に保安が疎かになった業者については、行政としても厳正に対処していくべきである。

(4) また、都市部以外の需要家数が少ない地域においては、販売事業者の数自体も少なく競争相手が少ないことから、競争原理が働きにくくなっている場合もある。そのような地域では地縁関係のために販売事業者の変更が難しいという事情もある。仮に余剰利益が大きければ、新規参入も期待できるはずであるが、実際には需要家数が少なく、その分布も疎らであることから、配送コストが大きいことも加わって、大きな余剰収益は期待できず、新規参入も稀であるのが現実である。

(4)LPガス市場における競争の評価(その2:各種報告書等における指摘)

 以上のようなLPガスの取引構造の下で、競争を活性化するためにはどういう措置をとっていくことが必要であろうか。LPガス取引における競争の現状については、これまで料金の不透明性及び顧客移動の制限をもたらす取引慣行といった問題が指摘され、これらの改善が求められてきた。

(1) 料金体系の不透明性の問題については、昨年6月の公正取引委員会報告書(「LPガス販売業における取引慣行等に関する実態調査報告書」)において、以下のように指摘されている。
1) 「LPガスの販売に際し、どのような料金体系を採用するかは、基本的に販売業者の自由であり、それ自体独占禁止法上の問題を生じるものではない。しかしながら、料金体系は、販売業者にとって重要な競争手段であるとともに、消費者にとっても業者選択の上で重要な情報である。」
2) 「今回の調査によれば、料金の内容が消費者に明確にされていない場合が多く、例えば、非常に多くの販売業者(注:公正取引委員会報告書によれば85.3%の事業者)は、・・・二部料金制を採用しているにもかかわらず、実際に消費者に渡される請求書には使用量と使用料金しか記載されていないものが多くみられる(注:公正取引委員会報告書によれば49.0%の消費者)。また、料金表についても、値上げ時ですら交付されていない場合もあるようである。」
3) 「このように、料金体系が不透明であるということは、消費者に対する情報提供という点から問題があるだけでなく、重要な競争手段があいまいなままでは販売業者間の公正かつ自由な競争を促進するという観点からも望ましいものとはいえない。」 また、規制改革委員会は、昨年7月の「規制改革に関する論点公開」において、「LPガス事業については、消費者が自由に販売事業者を選択できる環境を確立するために、消費者が料金を知り得るより効果的な仕組みを整備すべきではないか。」との指摘を行っている。

(2) 顧客移動の制限についても、昨年6月の公正取引委員会報告書において、「販売業者が、無償配管を行ったことを理由に、配管の所有権を主張し、消費者が解約を申し出た際に、不当に高額な配管の買取り代金を請求したりガスメーターやボンベ等の設備の撤去を不当に引き延ばしたりする等により、消費者が販売事業者を選択することを困難にさせている場合がある。このように顧客移動を制限することは、不公正な取引方法(競争者に対する取引妨害等)として独占禁止法上問題を生じるおそれがある。」との指摘がある。 さらに、アクションプランに係るヒアリング調査(注:液化石油ガス産業室によるもの)等でも、これまでは、販売事業者が他の販売事業者との競争が起こることをお互いに避けるため、情報公開に消極的であることとともに、他の販売店の顧客を獲得することはしないという考えを持つ販売事業者も少なくないことがうかがわれる。また、他の販売事業者と競争する場合であっても、価格競争よりもむしろ、新規顧客の獲得のために配管等の設備費を無償とすることに見られるような非価格競争が激しく行われてきたことがわかる。 なお、顧客移動が活発でないことに関しては、一方で、たとえLPガスが自由料金で、業者選択が可能であることを知っていても、より良い販売店を自ら意欲的に探そうとする消費者は少ないとの指摘もある。

(5)LPガス市場における競争の評価(その3:最近における競争促進の状況と問題点)

(1) ここ数年の間に、首都圏を中心に、LPガス販売事業者間における顧客獲得(顧客切り替え)競争が激化している。また、公益事業における規制緩和が進む中で、集合住宅におけるガス選択を巡る都市ガスとの競合や深夜電力による給湯・空調需要との競合も激しく、さらにはオール電化住宅がLPガス販売事業者にとって脅威となりうるなど、エネルギー間競争も高まりを見せており、LPガスにおいて競争促進の方向にあると言えよう。

(2) 首都圏における顧客切り替え競争については、懸念される事項としては、
1) 販売事業者というよりは切り替え専門のブローカーが多数出現し、こうしたブローカーの場合には、消費者が知らないうちに他業者に転売されている例が多く見られるといった指摘、
2) 液石法や独禁法との関係で問題ではないかと言われる事例もあるなど不当な競争が行われているのではないかといった指摘、
3) 消費者を誤認させるような勧誘、消費者に対する違約金の請求、強引な勧誘、既存事業者への通告なしの設備撤去が行われ、切り替える側と切り替えられる側との綱引きの中で消費者がトラブルに巻き込まれるケースが起こっているといった指摘、
があげられる。
 これらの問題については、現在首都圏においてみられるブローカーによる過当な顧客切り替え競争に限らず、LPガス業界において従来からも一部指摘されてきている問題でもある。いずれにしても、消費者がどう評価するかが重要であり、消費者を欺くような安売り競争、強引な引き留めは、消費者の望むものではない。
 切り替え競争は、競争を活性化し、料金水準を引き下げる面もあるが、以上のような懸念される面もあり、今後一層の実態把握が重要である。

(3) 都市部と都市部以外の地域における競争の評価については、区別して考える必要がある。都市部以外の競争原理が働きにくい地域について、いかに競争を活性化するかは重要な課題である。
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3.LPガス料金について指摘される個別論点
 LPガス料金をめぐり指摘される個別事項や消費者からの苦情については、以下のように分類できる。 まず、料金の透明性に係る事項として、(1)料金情報について十分な提供がないこと(料金表さえ配付されないという苦情も少なくない)、(2)料金設定や料金変更について問い合わせても合理的な説明がないこと、が挙げられ、(3)需要家間、地域間における料金の格差などに対する不信、もこれに関連するといえよう。さらに、(4)消費設備に係る配管については、費用負担が明確でなく、不透明な料金体系になっている一因ではないか、との指摘がある。 次に、(5)LPガス料金水準が都市ガスと比べ高いということも消費者からの苦情件数として多くを占める。 また、LPガス価格のモニター統計や原価に関する統計調査を分析すると、(6)料金の下方硬直性や(7)小売価格に占める原料の輸入価格の割合が1割に過ぎず、流通コストがかかり過ぎていることについて指摘がなされている。
 しかしながら、消費者の信頼を確保し、価格競争力を高める観点から、料金透明化に向け積極的に対応している販売事業者が増えていることも指摘したい。 以下において、上記の論点について評価をしてみたい。

(1)料金情報の十分な提供

(1) 昨年6月の公正取引委員会報告書によると、料金表を受け取っていないという消費者は7割に及んでいる。 料金表(書面交付の際義務づけ)については、「料金表を受け取っていても、受け取ったことを忘れていたり、他の家族が受け取っていたりすることが『受け取っていない』という回答の理由で、実際は大半の業者が配付しているはずである」との販売事業者側の主張もあるが、消費者が料金表を受け取っていると認識していないという事実が問題であると捉えるべきであろう。

(2) 消費者の立場からは、料金表そのものというよりは、わかりやすい料金についての説明書的なものを望んでいる。都市ガスや電力のように、請求書や領収書の交付時に、例えば二部料金制の場合であれば基本料金の構成内容についての情報提供や基本料金、従量料金を区分して示したりすることが重要である。現に、このような積極的な情報提供を行っている販売事業者も相当増えている。

(2)料金設定についての合理的な説明

(1) 消費者からの苦情として、料金体系について合理的な説明ができない、特に基本料金の中身について、構成内容すら説明できないといったことが多く寄せられている。

(2) 中小規模事業者が多くを占めるLPガス販売業界においては、地元のプライスリーダー的販売事業者の料金に機械的に追従したり、いわゆる丼勘定により料金を安易に設定している場合が少なくない。また、集中監視システム等高度な保安措置を講じていないにも関わらず、それらを講じている業者と同程度の価格水準まで安易に引き上げているのではないかとの指摘もある。

(3) 料金の妥当性の判断は、消費者が料金と保安サービスの内容をチェックし、料金に見合ったサービスを消費者が享受できているかを判断することがポイントであると考えられる。しかし、チェックを行うべき消費者自身が、LPガス料金が自由販売料金で、業者選択が可能という基本事実を知らないことが多く、消費者自身の認識不足という面もある。

(3)LPガス料金における需要家間・地域間格差

(1) 料金の格差には同一地域内における格差、同一販売事業者内における格差および地域格差といわれるそれぞれの地域環境・供給条件による格差がある。 おのおの合理的な理由によりその格差が生じているものについては、当然是認されるべきである。例えば、地域格差が、北海道、東北のLPガス料金に代表されるように、その地域環境(積雪、顧客の分布が疎らであることから、配送コストが高、消費原単位が小さい)という合理的な理由によって生じている場合は、是認されるべきであろう。 なお、LPガス販売事業者間の格差は都市ガス、水道などと比べても小さい。

(2) 同じ販売店でも新規に勧誘する消費者には安い料金で供給し、既存の消費者に対しては安い料金は適用しなかったり、他店から勧誘を受けた消費者を引き留めるために料金水準を下げたりすることがある。このように、販売店間の競争が激化している地域については消費者によって料金が異なることもやむを得ないとの考えもある。しかしながら、例えば、同一販売事業者で10m当たり1000円以上も差があるようなケースもあり(注;平成12年4月末の10mの全国平均価格は5791円)、これでは消費者に対し合理的な説明はできないであろう。 したがって、LPガスが自由料金であっても、例えば同一販売事業者内において、地域性や需要構造に差がないにもかかわらず、消費者間に極端な料金水準の格差を設けることは、消費者の不信を招く原因ともなり、これを避ける努力をすべきである。

(3) また、同一販売事業者(販売所)内で地域によって配送コスト等の観点から差がある場合、料金の格差を設けることについては、受益者負担の観点から問題ないとの考えもあろう。しかしながら、同一販売事業者内で配送する地域の差によって複数の料金体系をもつことがむしろ消費者の信頼を失う可能性が高いとの認識があることなどから、一般的には、このような差は設けていない。これは、地域における諸事情を踏まえた販売事業者の経営方針の問題であろう。

(4)消費設備費用負担を巡る問題

(1) 新規顧客を獲得する手段として、消費設備に係る配管の費用を無償とする慣行が行われ、全体の顧客から薄く料金に含めてコスト回収が行われているのではないかとの指摘がある(昨年6月の公正取引委員会報告書)ほか、配管以外のガス器具等消費設備についても同様のコスト回収が行われているのではないかと考えられる。 これに対しては、これら費用は企業利益から出されている場合が多く、必ずしも他の消費者の料金に転嫁している場合が多いとは言えないといった反論もある。また、貸付やリースとして使用料を徴収している場合も多い。 いずれにしてもこれら費用の負担が不明確であることから、結果的に全体の消費者の料金に転嫁されているのではないかとの疑念を招くことになる。これら消費設備のコストについては、企業利益によって賄われる贈与とするか、または、受益者たる消費者の負担とすべきである。販売事業者が負担した費用を回収しようとする場合においては、全体のガス料金に含めて回収することなどによって他の消費者に負担させるべきではない。

(2) 消費者が販売事業者を変えようとすると、消費設備の所有権が販売事業者にあることを理由に消費設備の費用を請求されるため、顧客移動が制限されるとの問題点がこれまでにも指摘されてきた。 まさにこの問題を改善するために、配管の問題については、昨年10月にアクションプラン(注)が発表されたところである。これを受け、LPガス販売事業者としてもこの問題の改善に向けて、自主ルール作成など積極的に取り組んでいるところであり、今後、その動向を注視したい。

(注)配管を巡る所有権の考え方、消費者とのトラブルを回避するための契約のあり方についてLPガス産業室としての見解が示され、これに基づいてLPガス販売事業者団体に対して取引適正化に向けた要請が行われた。

これらの問題については、首都圏及びその周辺では、昨今の切り替え競争の激化によって、むしろトラブルとなる事例が増加している。

(5)都市ガスとの比較

(1) 大手都市ガスエリアからLPガスエリアへ移転してきた場合に、料金について消費者の不満が大きい。こうした不満の中には、消費者が、都市ガスとの比較においてカロリー等価で比較せず、単純に体積あたりの料金で比較し、LPガスは非常に高いと誤解するケースも少なくない。実際の苦情は、月々に支払うガス料金が急に高くなったというものが多く、生活実感としてLPガスの方が高いことも事実であろう。

(2) LPガスと都市ガスの料金については、供給形態、コスト構造、公益性が相違し、同一基準で判断することは困難である。しかし、厳密な比較は困難であるものの、全国平均ベースで、平成11年は約21%(平成10年は約17%)ほど都市ガスよりは高いとされている(石油情報センター)。

(注)(社)全国エルピーガス卸売協会の調査(平成11年1月エネルギー検討委員会LPガス料金基本問題検討WG報告書)では石油情報センターの調査に加えて消費設備に係る配管コストを除いて推計しているが、全国平均ベースでは平成9年で約14%ほど高いとされている。

(3) さらに都市ガスとの比較に関しては、以下について留意することが必要である。
1) LPガスは都市ガス原料のLNGより、輸入価格(カロリー等価)で、2〜3割高く、またLPガスの輸入価格は変動が大きい。(LNG/LPG(輸入価格)97年度:77%、98年度:82%、99年度:68%)
2) 都市ガスについては消費者の敷地内にガス管を敷設する際、敷地内のガス管は消費者資産であることから、配管費用は一時払いで消費者から徴収される。また、本支管から敷地境までの供給管はガス料金に含まれるが、道路に敷設される本支管を延長することが必要であるときに、その工事費が一定の額を超えたときは、消費者にその超えた額の負担が求められる。
LPガスの場合、これに相当するボンベ等の供給設備の設置費用はガス料金(基本料金として回収されることが多い。)の中に含まれる。また、ガス器具、配管などの消費設備の使用料なども含めてガス料金として比較される場合が多い。
したがって、エネルギー間の料金比較の重要性が指摘される中で、消費者に対してより正確な料金情報を提供するという意味でも、LPガスと都市ガスで供給設備や消費設備等に係るコストについて統一的な取扱いを行った上でガス料金を比較する必要があると考えられるが、現状においては、データ収集上の制約もあり、そのような比較は困難となっている。今後、この点を考慮に入れた比較が可能かどうか、検討することは有益であると考えられる。
3) 都市ガスは主として都市部の市街地に導管供給している装置型産業であり、LPガスは山間地域までシリンダー配送する労働集約型産業である。このため、需要家の分布密度がLPガスは疎らであり、輸送コスト、人件費等のコストがかかる傾向にある。
4) 家庭用消費原単位は、全国平均ではLPガスは都市ガスの約6割であり、LPガスの方が固定費の占める割合が高くなるため、10m当たりの比較では割高になる。
5) 都市ガスの導管敷設のための建設費用に対しては、国からの低利融資など公益事業としての特典がある。

(注)そもそも、都市ガス事業は装置型産業であり、導管供給の特性を生かすために、需要密度が高く導管敷設によるガス供給が経済的メリットを発揮する都会部を中心とする地域に供給されている。
一方、LPガス事業は、労働集約型産業であり、個別供給方式をとっている。この方式は、LPガスの可搬性に優れるという特性を利用した簡便な方式であり、また、投資を状況に応じて柔軟に調整できるという特性を持つため、全国で利用されている。
したがって、両者の間には消費者密度の高低あるいは輸送距離との相関等により、経済的な分岐点が存在し、適材適所において各自の競争上の優位性に基づき、公正かつ自由な競争を行っていくことが望ましいと考えられる。

(6)小売価格の下方硬直性

(1) LPガス小売価格は下方硬直的であると言われる。すなわち輸入価格及び卸売価格の上昇時に小売価格も上昇しているが、逆に仕入れ価格の値下がり局面において、料金の値下げ幅は小さいことが指摘される。 十分な競争があれば、高い事業者から値下げした業者への消費者移動が生じ、結果的には小売価格も輸入価格、卸売価格に連動することとなると考えられることから、価格の下方硬直性は、LPガス小売市場が十分価格競争力が働いていない証拠とされている。 輸入価格、卸売価格が下がっても小売価格が下がらないのは「保安の高度化のためのコスト上昇が小売価格に反映されたため」と主張する販売事業者もあるが、そうであれば、料金表が変更されているはず(例えば基本料金を高くし、従量料金を低くするなどの変更が行われるはず)であるが、原価について十分な管理、把握が行われていないこともあり、実際は料金表にそのような変更がなされていない。 また、輸入価格が小売価格に占める割合は1割程度に過ぎず、輸入価格変動が小売価格に与える影響には限界があると主張する販売事業者もある。

(2) 最近の価格動向をみると、2000年4月の輸入価格は対前年同月比で、96.2%の上昇(+389円/10m)、卸売価格は11.9%の上昇(+218円/10m)となっている。一方、小売価格は1.2%(+69円/10m)の上昇に留まっており、これまでの局面とは異なる動きが見られる。このような動きについては、規制緩和により競争が促進されていることから上昇が抑えられているという見方もある。

(7)原料費(輸入価格)が小売価格のわずか1割であること

(1) 輸入価格、卸売価格、小売価格から算出すると、小売価格(家庭用)のうち輸入価格が占める割合は1割程度に過ぎず、9割が流通段階で生じ、特に小売段階が6割を占めている(すなわち、小売価格における卸売価格(仕入れ価格)の占める割合は約4割)。しかし、小売段階においては、LPガスはボンベにより各戸に配送を行っており、配送費等人件費がかかる。また、供給設備の保安責任が事業者側にあり、その点検や保安機器の設置等保安コストをかけて事故率を低下させてきた。液化石油ガスは、その取扱いに保安上特殊な容器、設備、技能を要するものであり、一般的な商品とは異なることに留意が必要であろう。 なお、都市ガス事業においても、巨額の設備投資が必要であり、設備コストの占める割合が高い。

(2) LPガス業界としては、流通コストの削減に取り組んでいるが、小売価格に占める原料費(輸入価格)割合に大きな変化はなく、必ずしも流通効率化が料金に反映されているとは言えない。 これに対しては、流通コストの削減は保安コストの増大によって吸収されたため流通コストが削減できても小売価格が下がらなかったとの販売事業者側からの指摘もあるが、この点については、定量的な分析を行わなければ、一概には言えない。
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4.LPガス料金透明化に向けての提案
(1)料金情報提供のあり方

 LPガス供給の公共性及び競争促進の観点に立てば、販売事業者においては、消費者の理解を得られるよう料金についての情報を開示し、透明性確保に努めるべきである。
 この料金透明性とは、消費者にとって、消費者が理解しやすい料金情報で、かつ、販売事業者間で容易に比較できるということである。 法令上は、液石法により、契約時・改訂時には料金表の交付が必要であるが、販売事業者は、消費者の信頼を得るためには、以下のような措置を実施できないか検討すべきである。

(1) 販売事業者毎に店頭に料金表を備え(注;必ずしも掲示するという意味ではない)、消費者からの要望があれば料金表を提示できるようにするとともに、料金体系及び価格について説明できるようにしておく。

(2) 販売事業者は、検針票や領収書を交付する機会を利用するなどして、わかりやすい料金情報を消費者に定期的に提供し、料金の情報開示に努める。

(3) 特に料金の構成内容について、基本料金、従量料金を区分して示すなどして、わかりやすく請求書・領収書等にて説明し(電気・都市ガスと同様に)、消費者の理解を得るよう努める。
(注)
1.基本料金: 一般的には容器・自動切替装置・ガスメータ等の供給設備費、LPガス賠償責任保険料、設備の点検・調査等の保安管理費、検針・集金等の管理費用などで構成される、ガスの使用量とは関係なくガスの安定供給のため固定的に発生する経費。
2.従量料金: 一般的にはガスの仕入代金、ガスの配送費、販売等のための経費、利益で構成される、ガスの使用量に応じて支払う料金。

(4) 定期的に料金水準を見直し、料金改定の必要性について検討するとともに、料金改定の際には、販売事業者から消費者への一方的な通知のみで済ませるのではなく、消費者に対し改定理由についても通知文書において十分な説明を行うよう努める。 なお、料金情報については、消費者の側から販売事業者に対し、積極的に提供を求めていくことも重要であろう。これによって、消費者に対する料金情報の提供に関する販売事業者の意識が高まることも期待される。

(2)消費設備コストの位置付け・契約の明確化

(1) 料金体系上における区分
 消費設備については、贈与以外の場合には、配管施工時に当該消費者に対して適正なコストを請求すること(注;一括の販売の他、賃貸とする場合、割賦販売のような場合も含む)が望ましい。
 これにより、他の消費者のコストが毎月のLPガス料金に転嫁されているのではないか等といった不透明性を払拭することが可能になるとともに、販売事業者としても、適正なコストを受益者に負担してもらうことにより、LPガス料金水準の引下げの余地が生じ、価格競争力の強化につながることを認識すべきである。
 また、消費設備の貸与・リースなどの場合にはその使用料や支払方法について、基本料金や従量料金とは区分して交付書面に記載することが義務づけられている(液石法施行規則第13条)が、交付書面への記載だけではなく、請求書にあっても基本料金や従量料金とは明確に区分して記載することが望ましい。

(2) 配管以外の消費設備の扱いについての契約の明確化
 配管以外のガス器具などの消費設備についても、アクションプランで示した配管の例に倣い、消費者とのトラブルが起こらないよう所有権や事業者を変更する際の費用負担のあり方について明確にするなど適切な契約内容とすることが重要である。
 なお、消費者自身が契約内容のチェックを十分に行うことの必要性について、消費者側の意識を向上させることも必要ではないかと考えられる。

(3)三部料金制等の採用

(1) LPガス料金の透明性向上のためにも、二部料金制だけでは十分対応できない場合には、三部料金制(基本料金、従量料金の他に別立てとして設備利用料金(集中監視システムの利用料、ガス漏れ警報器のリース料、供給設備配管使用料など)を徴収する料金体系)や複数料金制の採用を考える必要がある。

(2) また、都市ガスや電力において、為替レートやLNG価格等に起因する原料価格の変動をガス料金に速やかに反映させる原料費調整制度が導入されているが、LPガス販売事業者においては同様の料金見直しの仕組みの導入を検討することは、LPガス価格の下方硬直性の是正や料金の透明性向上等のためにも有益であると考えられる。

(4)需要構造に合わせた料金体系の研究

 LPガスの需要構造(使用量、使用用途等)にあわせた複数の料金表を設けて消費者に選択させる方式については、消費者が自己の消費パターンにあわせて料金を選択でき、販売事業者にとっても需要促進効果があるなど双方にとってメリットを生ずるものと考えられる。したがって、適正な情報提供を前提に、販売事業者が研究を行うことは重要である。

(5)原価計算実施の検討

(1) 料金設定の際に原価計算を行うか否かについては、LPガス料金が自由料金である以上、最終的には、個々の販売事業者が各々の経営戦略に基づいて決定すべき事柄であるが、適正な料金体系を構築して消費者に対して自社の料金体系について合理的な説明を行うという観点からは、可能な販売事業者においては、原価計算を実施することも一案であると考えられる。  原価計算を行うことにより、販売事業者は自らの経営状況を把握し、事業の効率化、合理化に役立てることができるという効果も期待できる。

(2) 兼業の多い中小LPガス販売事業者においては、経費の区分を明確化することは難しい等の理由により、原価計算の実施は困難であろう。しかしながら、業界団体においては、引き続き中小販売事業者等に対して、原価計算の手法等について講習等を行っていくことは有益である。

(注)(社)日本エルピーガス連合会においては、原価計算マニュアルを作成し、原価計算の重要性、方法等について講習会を開催している。

(6)LPガス料金に対する消費者意識の向上

 LPガスは家庭用エネルギーであり、その供給世帯数は2500万世帯にのぼるにもかかわらず、今まで消費者運動の中で必ずしも十分に取り上げられてきたわけではない。今後、LPガス料金の透明性の向上や情報公開の促進のためには、販売事業者の取組みに加え、消費者自身によるチェックが行われることが必要不可欠である。
 具体的には、料金の改定等が行われたとき、消費者が販売事業者に対して説明を求めること、地域や消費者団体で料金表の収集を行うこと等消費者による小さな取組みが販売事業者の意識を改革することとなる。

(7)LPガス料金の情報提供に関する行政等の取組み

 LPガスに関する一般向けの情報提供としては、以下のような取組みを更に充実させていくべきである。

(1) 隔月にて全国のLPガス小売価格の調査を行い、その結果を印刷物や石油情報センターホームページにおいて公開しているが、さらに各地区毎の価格も照会できるようにするなど、アクションプランに基づき提供情報を拡大した。また、取引適正化等に係るパンフレットの発行、配布を行っている。

(2) 都道府県及び市町村の生活情報誌を活用してLPガスの取引に係る情報を提供していく。

(3) 消費者・販売事業者・行政による懇談会や消費者等を対象とした講習会を開催してきているが、消費者・事業者間の対話をさらに充実させていく予定である。

(4) その他、日本LPガス協会、(財)エルピーガス振興センターのホームページにおいて、LPガスの輸入価格動向等LPガスの情報提供を行っている。

(注)LPガス関連ホームページ
(財)日本エネルギー経済研究所石油情報センター
http://www.oil-info.ieej.or.jp
日本LPガス協会(元売、輸入業者の団体)
http://www.j-lpgas.gr.jp/
(財)エルピーガス振興センター
http://www.lpgc.or.jp/
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5.終わりに
 LPガス販売業界全体としてアクションプランを受けて、消費者に対する十分な料金情報の提供をはじめ、料金透明化の課題への取組みとして自主ルールの検討などが既に行われているが、本報告書における提言の実行は、最終的には個々の販売事業者の対応に任されるものである。これらの提言が多くのLPガス販売事業者によって実行に移されることを強く望むとともに本報告書がLPガス産業に対する消費者からの信頼確保の一助となることを期待する。
 特に、各地域のリーダー的企業である大手・中堅の販売事業者においては、本報告書に基づく具体的な改善措置を明確化するよう要請したい。そして、このような動きがLPガス業界全体に波及することを強く期待する。 なお、最後に2点付言しておく。

(1) エネルギー分野における各般の規制緩和を受けてエネルギー間競争が激化するなど、LPガス産業を取り巻く環境は大きく変化している。今後、電気、都市ガス等競合エネルギーに対して価格競争力を強化していくためには、充てん所の統廃合、交錯配送の改善、バルク供給の推進等による流通コストの削減が不可欠である。  また、最近は薄れてきたといわれているが、消費者との密接な関係を再構築することにより、「料金」、「安全」に加え生活提案等のサービスの提供を行い、消費者に選ばれるエネルギーとなることも重要である。
(2) 先般(平成12年4月)、消費者が誤認するような契約は取消しできることや消費者の利益を不当に害するような契約条項を無効とすることを内容とする消費者契約法が成立したところである。同法は、消費者と事業者との間に情報の質及び量並びに交渉力の格差が存在することにかんがみ、消費者の利益を擁護することを目的として制定されたものであることから、販売事業者においては、LPガス取引における契約の重要性について十分認識した上で、消費者に対する情報提供を積極的に進めていくことが重要である。

 快適かつ簡便なエネルギーであるというLPガス供給の特徴を生かしつつ、国民生活に欠くことのできないエネルギーを安全に供給しているLPガス産業が、21世紀においても人々にとって欠くことのできない生活インフラとして発展していくためには、LPガス業界においては、以上の留意点を踏まえ、今後、特段の努力を行うことが必要と考えられる。


LPガス料金問題検討会委員 名簿 (敬称略)
委員長 石井 晴夫 作新学院大学大学院経営学研究科教授
委員 浅野 泰司 出光興産(株)ホームエネルギー部部長付
委員 菊池 鴻逸 神奈川県エルピーガス協会会長
委員 木村 紀武 前 シナネン(株)常務取締役
現 日高都市ガス(株)代表取締役社長
委員 重松 公夫 岩谷産業(株)エネルギー・生活事業グループ事業統轄役員補佐
委員 堰本 信子 和歌山県婦人団体連絡協議会副会長
委員 高木 純子 土浦暮らしの会会長
委員 高須 國廣 兵庫県プロパンガス協会会長
委員 竹越 健二 竹越法律事務所 弁護士
委員 兵頭 美代子 主婦連合会参与
委員 宮川 淡 日本石油ガス(株)経営企画委員会事務局長
委員 宮沢 方子 コーペル会長
委員 村田 恵美子 神奈川県消費者の会連絡会代表幹事



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