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レポート
第5回LPガス料金問題検討会議事要旨
1.日 時: 平成12年7月3日(月) 14:00〜16:00
2.場 所: 日本LPガス協会 会議室
3.出席者:
[委員] 石井委員長、高須委員、菊池委員、重松委員、宮川委員、浅野委員、竹越委員、村田委員、宮沢委員
[オブザーバー] 公正取引委員会取引調査室
公益事業部ガス事業課
保安課液化石油ガス保安対策室
[事務局] (液化石油ガス産業室)滝本室長、高橋、鯉江
(エルピーガス振興センター)黒田専務理事、磯部、桜井、中村
4.議 題: LPガス料金問題検討会最終報告(案)審議
5.議事要旨
(1)事務局から最終報告案の説明(中間報告に対する追加・修正部分)

(2)業界側意見
これを日連会員に周知徹底することが大切であり、日連として、どう対応するかが鍵になる。現在、日連として取引適正化について検討中であり、この中にも今回の報告書の内容を織り込んでいきたい。
“LPガス小売価格のうち原料費が1割”という表現が必要なのか若干疑問に思う。ここでの料金問題は小売の問題であって、小売事業者のコストを論じるものだと思う。
卸協では、情報提供の問題、大手事業者の取り組みの姿勢などについて検討しており、理事会において意志決定する。
日協として、これに対しどう対応するかについては、まだ議論はしていないが、元売りとしては、特約店や販売店といった取引先に対し、あらゆる機会をとらえて周知徹底していくことが必要である。
LPガス産業の持つ特徴も、かなり書いていただき、ありがたい。ただ、都市ガスのない地域において消費者が競争を望んでいるのかどうか、事業者の姿勢はどうあるべきかについては現段階では議論されてない。その点について、今後議論が必要ではないか。

(3)消費者側意見
消費者からみて、情報がなかなか伝わってこないというのが実感であり、末端まで本当に伝わるのか不安である。ホームページにもいろいろ情報があるが、国民生活センターのホームページにLPガスに関するリンクがあれば、より詳しい情報を見る事ができるのではないか。検針表の裏の活用にも力を入れて欲しい。
行政、消費者、販売業者の間で話ができたが、今後も三者の努力が必要だと思う。都市ガスとの比較については、あまり詳しく記載すると混乱するのではないか。この検討会を契機に業者の姿勢も変わってきたと思われるが、その中で基本料金が1800円から1300円に下がった事例もある。自由料金ということで大手と中小の業者では違うということだが、そこは業者の姿勢、信頼が問われることになる。消費者も情報を受け取るだけでなく、発信していくことが大切だ。

(4)学識経験者意見
後はこの報告書を基にして業者側である日連の方で、どうするかがポイントになる。それと仮に供給側が動いたとしても、需要側が動かないと最終的な競争は出てこない。そういう意味で消費者団体にも頑張って欲しい。

(5)意見交換
委員長: 先ほど細かすぎるのではないかと指摘のあった都市ガスとの比較についてはどうであろうか。
事務局: むしろこの場で議論願いたい。都市ガスとの料金比較については配管費用負担が10万円から15万円の場合ということで試算されているが、実際に負担している顧客とそうでない顧客がおり、その割合は分からない。LPガスが都市ガスより約21%高いというのは、全体を平均した数字であって、平均した数字に対して10万円から15万円負担した場合に、何%縮まるかということに意味があるかどうか若干疑問には感じる。
委員長: 需要構造に合わせた料金体系についてだが、今後の課題として複数の料金体系を導入し消費者に選択させるということについての検討は可能か。
現在でも厨房料金、給湯料金、冷暖房料金と分けて、使用料が多くなると単価が下がるという方式をとっている事業者もある。いろいろな条件を出して選んでもらうということは考えられる。
消費者としては安全、安定供給、納得のいく料金が基本である。その上で業者間の競争も必要だが、自由競争とはいえ料金は安いが安全面では劣るということでは困る。
事務局: 中間報告の公表以来、消費者、行政、事業者から数多くの意見が寄せられた。その中で多かったのは、販売業者は良くやっており、問題なのはごく一部だということと、書かれていることを実行させるのが大変であり、実行をどこかで担保してもらう必要があるという意見である。その点では“終わりに”にあるように、各地域のリーダー的企業である大手・中堅の販売事業者においては、具体的な改善措置を明確にするということであり、今後各事業者の取り組み状況について話を聞くことにしている。最近の価格動向を見ると、各県別に対応がかなり違っており、その意味からも日連、各県協会の姿勢、対応が非常に重要だと思う。
原価計算については、トーンダウンさせたが、本当の狙いは情報をもっと開示して、透明化していこうということで、それは疑いのないところである。
委員長: LPガスは2500万世帯が利用しているわけで、更に安心、安全、そして低廉な料金で提供して欲しい。価格動向については県別に格差が出ているようであるが、事業者を選択できないような地域、あるいは山間僻地の消費者に対するケアーも考えなければならない。LPガス事業というのはボンベ配送という制約もあるが、災害の際等、避難所などですぐ利用できるという特徴があり、この即効性という特徴も非常に重要である。そのようなLPガスの社会インフラとしての役割、更に21世紀に向かう簡単なメッセージを入れてもらいたい。
委員長: LPガス事業者には兼業が多いが、正しく計算しコストアロケーションを明確にして、他の事業で内部補助をしているということを、消費者に対し言えないだろうか。
神奈川の場合では、兼業部門で儲かっているということはあまり聞かない。日連としては最低限の原価計算のやり方のマニュアルを示した。小規模の販売店でも数字を入れれば計算できるようになっている。大事なのは日連として、どう位置づけてやるかということであり、首都圏では専門家による講習会を開催することも考えている。
原価計算の問題で、一日中仕事をしているような中小零細業者の人件費をどう捉え、どう原価計算に反映させるかが非常に難しい。
14条の交付書面を受け取ると、消費者は契約書だと認識してしまうが、実際には単なるお知らせ的な意味合いしかないと聞いた。交付書面に重きを置くようにならないか。
確かに交付書面は契約書ではない。契約書ではないが、契約内容を証明する書面ではある。販売事業者は書面を交付することで消費者に約束しているわけで、少なくとも販売事業者の責任という意味において、書面の内容がそのまま契約の内容であると判断してよい。
事務局: 行政としては書面は書面として、契約は契約として別々にやって欲しいという言い方をしているが、実態は別添という形で契約書を添付しているケースが多い。書面交付が確実に実施されれば、配管の所有関係など整理されると期待していたが、どのように整理するかということが明確でなかった面もあり、若干混乱した部分がある。もう少し内容について議論しないと、この問題は解決しないというのが実感である。
委員長: 今日は最終の検討会でもあり、各委員から最後の感想をいただきたい。
行政、消費者、業者、それぞれの考え方が概ね網羅され、良くまとまっている。
日連でもここ2〜3年は、業界のエゴだけでなく均衡のとれたものにするため第三者を入れて会議を開いている。現在日連としてのアクションプランを検討しており、全国で講演会を開催したいと考えている。石井先生、竹越弁護士にも協力を願いたい。又講習会の開催も予定しており、消費者団体の方にも参加願いたい。いずれにしても意志疎通を図り、役に立てればと思う。
消費者の数も、又販売事業者の数も非常に多い。この機会を利用し消費者に審判を仰ぎながら、報告書に盛られた改善内容を進めていく体制をとっていきたい。
この検討会を通じ、LPガス業界の課題、問題点が深められた。
事業者として消費者や行政から言われるからではなく、自ら努力していくことが大事である。今回の報告書には事業に参考になる重要な情報がたくさん入っており、これらを利用して社会的責任を果たして行かねばならない。
LPガスには想像以上の問題があり、消費者運動の着眼点という点でも意味深い会合であった。一人一人が行動を起こすことが非常に大事だということを肝に銘じ、できれば全国レベルで運動を展開し、料金の透明化・適正化につなげていければと思う。
この会でLPガスについての話し合いが深められたが、これが机上に終わらず実行されるためには、消費者がもっと声を出していかねばならないと感じている。14条書面や契約については分かり易いものでなければならないし、消費者も納得して判を押さねばならないと感じている。これから県内の各消費者団体にも知らせていきたい。
今までLPガス料金は不透明だと言われてきたが、その内容ははっきりしていなかった。それを消費者、行政、販売事業者が集まって議論したということが、最大の成果ではないか。電気、都市ガスも自由化が進む中で、この場で議論されたことが実施されなければ、LPガスの将来は描けないと思う。
消費者契約法が成立したが、施行されれば今のブローカーのやっていることは全て取り消されるぐらいであり、違約金に関して言えば、全て無効になるのではないか。
ここで議論されたことは基本の基本であり、今後LPガス業界が伸びるためには事業者は自ら考え結論を出していかなければならない。又消費者も自分達で考えていくことが重要だ。
事務局: 有意義な議論に感謝申し上げる。今回の案に加筆、修正して最終報告書にする。なお加筆・修正については委員長、事務局に一任願いたい。報告書については、最終報告でもあるので一般紙も含めて広く公表したい。
委員長: 今後はこの内容をいかに周知徹底し、普及させていくかということが、本当の意味で取引の適正化と料金の透明化につながっていくと思う。今後とも是非皆様の協力をお願いする。
以上



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