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レポート
第4回LPガス料金問題検討会議事要旨
1.日 時: 平成12年4月18日(火) 14:00〜16:00
2.場 所: 日本LPガス協会 会議室
3.出席者:
[委員] 石井委員長、高須委員、菊池委員、木村委員、重松委員、宮川委員、浅野委員、竹越委員、兵頭委員、高木委員、村田委員
[オブザーバー] 公正取引委員会取引調査室
保安課液化石油ガス保安対策室
[事務局] (液化石油ガス産業室)滝本室長、高橋、米山、齋藤
(エルピーガス振興センター)黒田専務理事、磯部、桜井、中村
4.議 題: (1)LPガス料金問題検討会中間報告(案)
(2)委員からの意見
(3)討論
5.議事要旨
(1)事務局から中間報告案の説明

(2)業界側意見
「終わりに」にある“最終的には個々の販売事業者の対応に任されるものである”ということを踏まえ、三部料金制や原料費調整制度等も視野に入れ、努力していきたい。“消費者が料金表を受け取っていると認識していないという事実が問題である”という指摘もあるが、消費者契約法が成立されることを受け、その点注意してやっていきたい。あとは業界内で説明し、意見を聞くこととする。
あとは一般の販売店にどう周知していくかだと思う。
料金、価格という言葉についても整理され分かりやすい。今後は業界がこれを実行するということに尽きる。また消費者側でも、事業者も真剣にやっていることを認めていただき、理解と協力をお願いしたい。
都市ガスとの比較で、平成10年度は17%高、11年度は21%高と具体的に出ている。地方によっては全然違う所もある。しかも乖離が広がった印象をもたれる恐れもあり、このような具体的な表現でどうか。また、業界側も見直しをしていくが、消費者側でも問題意識を持ち、おかしいことがあるならば、是非契約当事者間で交渉をして欲しい。それによって、業界も良くなっていくと思う。
業者間の競争メカニズムが働かないという指摘は徐々に陳腐化し、今後他エネルギーとの競争がより激化していく中で、将来的にも消費者にどうしたら選ばれるかを、真剣に考えていくことがより重要になる。
競争のない地域についての議論が十分でなかったと思う。都市ガスのない地域の販売事業者のあり方について、都市ガス競合地区とは異なった観点からどうあるべきか、取引の透明化はどのようにあるべきかについて、もう少し議論が欲しかった。

(3)消費者側意見
ここに書かれている色々の指摘を反省材料にし、販売業者の方で今後どうするかを、競合エネルギーとの関係も視野に入れ、真剣に考えていかないとLPガスが使われなくなる可能性さえある。消費者側も自覚をもって積極的に批判してこなかったという面も確かにあるが、やはり十分な情報が得られなかったことが最大の要因だと思う。消費者としても問題意識を持って、分からないことに対して追求できるようになること、それが消費者そして業界のためになることだと感じた。
料金の透明化の問題はそもそもどこから出てきたのか、、何故透明化しなければならないのかということが根源だと思う。消費者にとって透明化とは、支払う料金が妥当なものと判断され、納得がいくことである。料金は地域によって格差があると考えられるが、その場合配送費など明確な基準によってランク付けしていけば、消費者にも納得されると思う。また現在の契約社会にあっては、そうではないという議論もあるであろうが、最終的には業者のモラル、誠意そして消費者に信頼されることが最も大事だと感じている。競合エネルギーとの関連では、LPガスの特徴である利便性、災害に強いという面、クリーンであることなどについて、もっとPRすることが必要だと感じている。
「終わりに」に全て集約されている。消費者側からのアクション、問題提起が重要であることを改めて認識した。特に、競争のない地域での消費者からの行動が大切だと思う。料金とサービスの妥当性を評価するのは難しいが、真剣に考えねばならない。無償配管の廃止という点では、建築業者にも徹底して欲しい。

(4)学識経験者意見
契約社会であっても、信頼というサービスほど良いものはない。顧客獲得競争の中にあって、顧客を守るには最後は信頼しかない。

(5)意見交換
都市近郊、中小都市、山間僻地という区分の中で、競争のない地域での事業、料金をどうしていくかという点についても整理したい。
都市部の消費者は大手都市ガスと同様の価格、サービスを求める。これに対し、都市ガスのない地域の消費者は販売店との付き合いの中で、価格、サービスを自然に評価している。これらの地域の中には、消費者の数が少なく輸送距離も長く、非常に採算の悪い地域も多い。これは山間僻地とは限らない。この地域の消費者が、今以上にエネルギー間競争を、あるいは料金の透明化を望んでいるのか、それとも高コスト地域と分かっていながら、頑張っている販売事業者に感謝し、あえて変化を求めていないのか、このような検討はその地区地区で考える必要があると考える。
同一品種同一価格というのが観念的にある。北海道、沖縄と本州中央部との差程度なら容認されるだろうが、あまりにも大きな差をつけることは難しいのではないか。
都市ガスとの比較については、日団協ワーキンググループの結論を待って差し替えればよいのではないか。競争地域と非競争地域の二分論については、基本的には共通の課題だと思う。示されていることが実行された場合、競争がより促進される場合と、あまり促進されない場合があるということではないか。従って書き換える必要はないが、二分論があるということは明確にしておいた方がいいのかもしれない。
書かれている内容は既に陳腐化されており、エネルギー間競争の中でどう生き残るかが現在の課題であるといった指摘もあったが、料金の不透明性という問題は10年間指摘されながら解決されていない問題で、決して陳腐化された問題だとは思わない。
需要者間、地域間における格差については、基本的には販売事業者の経営方針の問題であって、良い悪いという問題ではないと思う。
一般的には、同じ販売店の中では価格差はない筈である。但しエリアによってはコストに合わない所もあるが、殆どが兼業ということで、いわば丼勘定であるからこそやっていられるという面もある。それと本来的には地域によって相当の価格差があってしかるべきだが、全国的にそんなに価格差はない。現在はよくやっていると思う。
無償配管について現実にはなくならないというような意識を変えていかない限り、末端の販売店の経営努力に結びついていかないと思う。全国的に価格差があまりなく、よくやっているという指摘があったが、逆に価格差がないのが問題なのかとも思う。本来安くできるのに高く設定されていることもあるのではないか。
無償配管の問題については、その定義が難しい。無償配管をなくすと言った時に、一括或いは割賦で払ってもらうということが徹底できれば、解決することになるが、実際には複雑な問題である。何が問題かというと、一つは所有権に関する問題であり、もう一つは契約の不明確さであると思われる。更に契約ははっきりしていても消費者が認識していないということもあり、問題を一層複雑にしている。従って無償配管を原則なくすと言っても、必ずしも全てなくなるとは言い切れない。販売契約についての4条件を明確にしたが、はっきり言えるのは、それに伴うトラブルはなくそうということである。首都圏における切り替え競争でもそうだが、やはり無償配管に起因したトラブルとなっており、今後むしろ増えてくる可能性もある。それは競争の結果ということもであり、全面的に否定される面ばかりとは言い切れない。
消費者契約法との関連において、この無償配管の問題で今までとは違った面が出てくるのか。争いが起こった時に門前払いになることはないか。
裁判になるとどうかということは単純には言えない。無償配管の問題はある面では消費者の問題でもある。与えられたサービスについて対価を払うという発想があれば起こらなかった問題であるとも言える。但し業界側が明確に説明していないという点が一番の問題であり、説明し始めれば消費者にとって不利な契約をしてしまう可能性も出てくる。その時に消費者契約法との関連でどうかということになるが、契約条項に入っていれば認められる可能性は少なからずあると思われる。ただ消費者と販売業者の間に建築業者が入っている場合は、直接的には解決しないというケースもある。ただ無償配管といった場合、配管が主だと思われているが、一番問題となるのは戸建てについては、無償で取り付けた消費設備或いは燃焼設備であり、集合住宅については供給設備、消費設備である。これらは金額的にも大きく、より現実的な問題となっている。
昭和46〜7年以前は、個人で土地を買い家を建てており、販売業者は直接所有者と交渉し話を決めていたので、問題は起こらなかった。ところが47〜8年以降は建て売りが増え、販売業者も所有者と交渉するのではなく、建築業者と交渉するようになった。しかも顧客を増やすため、条件もなしにやらせて欲しいという形で進めてきており、それは現在も続いている。顧客を増やしたいがために、マナーも何もなくやっているというのが現実である。要するに経営者のモラルの問題であり、正すべきは正すのが業界の責務だと考える。
今日の意見を踏まえ、若干加筆、修正の上、委員の方には送付し、料金問題検討会については閉会としたい。中間報告書は来週には発表したいと思う。その後、消費者団体、販売事業者団体を通じて意見を聞きたい。また地方公共団体や関係機関(公正取引委員会、規制改革委員会等)にも説明したいと思っている。その上で6月中を目途に最終報告としたいと考えている。
  委員以外で中間報告書を希望される方にはエルピーガス振興センターを通じて配布するので、エルピーガス振興センターに問い合わせ願いたい。
4回にわたって、建設的な意見、活発な議論に対し感謝申し上げる。中間報告案にあるように、最終的には個々の事業者の対応に任せられるということであり、是非これを基に具体的な推進をしていただければありがたい。以上を持って料金問題検討会を終了する。
以上



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