(5)意見交換 |
|
● |
都市近郊、中小都市、山間僻地という区分の中で、競争のない地域での事業、料金をどうしていくかという点についても整理したい。 |
● |
都市部の消費者は大手都市ガスと同様の価格、サービスを求める。これに対し、都市ガスのない地域の消費者は販売店との付き合いの中で、価格、サービスを自然に評価している。これらの地域の中には、消費者の数が少なく輸送距離も長く、非常に採算の悪い地域も多い。これは山間僻地とは限らない。この地域の消費者が、今以上にエネルギー間競争を、あるいは料金の透明化を望んでいるのか、それとも高コスト地域と分かっていながら、頑張っている販売事業者に感謝し、あえて変化を求めていないのか、このような検討はその地区地区で考える必要があると考える。
|
● |
同一品種同一価格というのが観念的にある。北海道、沖縄と本州中央部との差程度なら容認されるだろうが、あまりにも大きな差をつけることは難しいのではないか。 |
○ |
都市ガスとの比較については、日団協ワーキンググループの結論を待って差し替えればよいのではないか。競争地域と非競争地域の二分論については、基本的には共通の課題だと思う。示されていることが実行された場合、競争がより促進される場合と、あまり促進されない場合があるということではないか。従って書き換える必要はないが、二分論があるということは明確にしておいた方がいいのかもしれない。
書かれている内容は既に陳腐化されており、エネルギー間競争の中でどう生き残るかが現在の課題であるといった指摘もあったが、料金の不透明性という問題は10年間指摘されながら解決されていない問題で、決して陳腐化された問題だとは思わない。
需要者間、地域間における格差については、基本的には販売事業者の経営方針の問題であって、良い悪いという問題ではないと思う。 |
● |
一般的には、同じ販売店の中では価格差はない筈である。但しエリアによってはコストに合わない所もあるが、殆どが兼業ということで、いわば丼勘定であるからこそやっていられるという面もある。それと本来的には地域によって相当の価格差があってしかるべきだが、全国的にそんなに価格差はない。現在はよくやっていると思う。 |
● |
無償配管について現実にはなくならないというような意識を変えていかない限り、末端の販売店の経営努力に結びついていかないと思う。全国的に価格差があまりなく、よくやっているという指摘があったが、逆に価格差がないのが問題なのかとも思う。本来安くできるのに高く設定されていることもあるのではないか。 |
○ |
無償配管の問題については、その定義が難しい。無償配管をなくすと言った時に、一括或いは割賦で払ってもらうということが徹底できれば、解決することになるが、実際には複雑な問題である。何が問題かというと、一つは所有権に関する問題であり、もう一つは契約の不明確さであると思われる。更に契約ははっきりしていても消費者が認識していないということもあり、問題を一層複雑にしている。従って無償配管を原則なくすと言っても、必ずしも全てなくなるとは言い切れない。販売契約についての4条件を明確にしたが、はっきり言えるのは、それに伴うトラブルはなくそうということである。首都圏における切り替え競争でもそうだが、やはり無償配管に起因したトラブルとなっており、今後むしろ増えてくる可能性もある。それは競争の結果ということもであり、全面的に否定される面ばかりとは言い切れない。 |
● |
消費者契約法との関連において、この無償配管の問題で今までとは違った面が出てくるのか。争いが起こった時に門前払いになることはないか。 |
● |
裁判になるとどうかということは単純には言えない。無償配管の問題はある面では消費者の問題でもある。与えられたサービスについて対価を払うという発想があれば起こらなかった問題であるとも言える。但し業界側が明確に説明していないという点が一番の問題であり、説明し始めれば消費者にとって不利な契約をしてしまう可能性も出てくる。その時に消費者契約法との関連でどうかということになるが、契約条項に入っていれば認められる可能性は少なからずあると思われる。ただ消費者と販売業者の間に建築業者が入っている場合は、直接的には解決しないというケースもある。ただ無償配管といった場合、配管が主だと思われているが、一番問題となるのは戸建てについては、無償で取り付けた消費設備或いは燃焼設備であり、集合住宅については供給設備、消費設備である。これらは金額的にも大きく、より現実的な問題となっている。 |
● |
昭和46〜7年以前は、個人で土地を買い家を建てており、販売業者は直接所有者と交渉し話を決めていたので、問題は起こらなかった。ところが47〜8年以降は建て売りが増え、販売業者も所有者と交渉するのではなく、建築業者と交渉するようになった。しかも顧客を増やすため、条件もなしにやらせて欲しいという形で進めてきており、それは現在も続いている。顧客を増やしたいがために、マナーも何もなくやっているというのが現実である。要するに経営者のモラルの問題であり、正すべきは正すのが業界の責務だと考える。 |
○ |
今日の意見を踏まえ、若干加筆、修正の上、委員の方には送付し、料金問題検討会については閉会としたい。中間報告書は来週には発表したいと思う。その後、消費者団体、販売事業者団体を通じて意見を聞きたい。また地方公共団体や関係機関(公正取引委員会、規制改革委員会等)にも説明したいと思っている。その上で6月中を目途に最終報告としたいと考えている。
委員以外で中間報告書を希望される方にはエルピーガス振興センターを通じて配布するので、エルピーガス振興センターに問い合わせ願いたい。 |
● |
4回にわたって、建設的な意見、活発な議論に対し感謝申し上げる。中間報告案にあるように、最終的には個々の事業者の対応に任せられるということであり、是非これを基に具体的な推進をしていただければありがたい。以上を持って料金問題検討会を終了する。 |