LPGC WEB通信
Vol.140 2026.01.05発行
令和7年度九州・沖縄地方LPガス懇談会が開催されました
経済産業省資源エネルギー庁の委託事業「石油ガス流通・販売業経営実態調査」として、当センターが実施する九州・沖縄地方LPガス懇談会が、去る11月17日に開催されました。
対象の福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県の消費者委員、事業者委員、学識経験者委員、自治体等行政関係者が出席しました。
本年度のテーマとして予め設定した、
(1)保安(LPガス事故の発生を防ぐために)
(2)LPガスの料金透明化・取引適正化について
各テーマについてそれぞれ活発な意見交換が行われました。
本年度も、テーマに基づきエリアを越えた共通課題に対し、従前にも増して議論が深まりました。
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LPガス懇談会について
(1)目的 LPガス取引適正化の観点から、LPガスの諸問題について、消費者団体、 事業者団体、自治体、学識経験者等が一堂に会して意見交換・議論を行い、 関係者相互間の理解を深めると共に、LPガス産業の健全な発展に資する。
(2)方法 全国9ヵ所の各経産局管内の主要都市にて開催する
(3)参加者 消費者委員…………各都道府県消費者団体の幹部等
事業者委員…………各都道府県LPガス協会の幹部等
学識経験者委員……知見を有する大学教授等
自治体………………各都道府県のLPガス担当部署及び消費生活担当部署
行政…………………経済産業省、地方経済産業局
オブザーバー………LPガス業界団体
報道関係
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議事次第
(1)開会挨拶
九州経済産業局 資源エネルギー環境部 西下次長
皆様、大変お忙しい中、当懇談会にご出席いただきましてありがとうございます。ご案内の通り、LPガスを取り巻く環境と言いますのはエネルギー転換や国際情勢の影響、これによる価格変動など、予断を許さない状況は続いていますが、LPガスが持ちます災害に強い分散型エネルギーとの強みを生かしまして、地域の皆様方から選ばれ続けることは大切と考えます。そのためには消費者の方々に安心かつ納得してご契約いただくことが基本となります。
本年4月2日から施行されました三部料金制の徹底による料金透明化など、従来の商慣行是正を確実に行っていただくことが強く求められています。
各県LPガス協会におかれましては、商慣行是正に向けた販売事業者による自主取組宣言に積極的に取り組まれており、その数も増加してきていると伺っています。その宣言を確実に実行へ移されますようお願いいたします。併せまして、規制当局におかれましては事業者へのご指導、監督のほど何卒よろしくお願い申し上げます。
また、消費者の皆様におかれましては、これまで不透明でありましたLPガス料金の内訳が見やすくなってきているのではないかと思います。LPガス料金とは関係のない費用が含まれていないかなど、LPガス料金が適正であるかご注意いただきながら、商慣行是正に向けた機運を一緒に高めていただきますと幸いです、と挨拶がありました。
(2)懇談 司会・進行:福岡大学 商学部 笹川教授
テーマI.「保安」について
(1)学識経験者委員による経済産業省ガス安全室の事前プレゼンテーションに関し概要のとり纏め
(2)消費者委員からの質問・意見等
(3)消費者委員からの質問に対する事業者委員からの回答・意見等
テーマI.に関して以下の議論がありました。
今、ガスの安全性というのは機器でもチェックできますし、ガスの元栓でも自動的にシャットアウトするようになっています。その安全性が充実しているので、警報器を交換する時に本当に必要なのかということを思ってしまうのですが、 微細なガス漏れでもチェックできるということでやっぱり必要だと思っています。それについての広報をもう少し消費者にして欲しいと思っています。
ガス点検について2度、同じような話がありました。私たちのところでは知り合いの事業者に点検していただいていますので、そういう心配はないのかと思いながら聞いていました。
それから、熊本県は地震、水害と立て続けに災害がありましたので、地震の直後からいろいろなところで防災訓練が行われており、防災訓練の中でもLPガスのデリバリーステーションを使った訓練等につきましていろいろ説明することができましたし、災害時のガスの大切さについて、私たちの防災訓練の時には毎年、県協会からいただきました資料を皆様方に配布いたしており、またデリバリーステーションの説明もさせていただいています。
県の担当者が来た時にその説明をしましたら、熊本県では10数台のデリバリーステーションを購入して、災害に備えているというようなことをお聞きしましたので、貸し出しではなく地方にそのような便利なものがあれば、オール電化の方も安心して避難所に来るのではないかと思いました。
私もガス警報器はいらないかという思いでいましたが、1人1人が備えることで事故の発生を防ぐことになると思いながら聞いていたところです。
全国女性会に全国LPガス協会からデリバリーステーションということで毎年寄贈いただいております。私たちも昨年1台いただいて地域で防災訓練の時に活用しているところです。
あと、昨年の懇談会の中で、料金の明細を表示するよう事業者に徹底し消費者に対して配布するようにとお聞きしました。この辺について現在は紙ペースでいただいておりますが、これをデジタル化にして紙を有償化することについてはどのようになっているか。デジタルでやれば無償になると聞いていますけれども、その辺はどのように検討しているかということをお聞きしたいところです。
前回の懇談会の中で質問されましてありがたいと思っています。事業所によって保安の確保という観点からデジタル化が進んでいます。その中でも請求書や領収書などもスマホで確認できるようなデジタル化が進んでいます。
紙の有償化については事業所ごとでいただくところといただかないところがバラバラですが、現在、いろいろなところからの要望も含めて事業所によってはデジタル化を急激に進めているところもあります。
テーマII.「LPガスの料金透明化・取引適正化」について
(1)学識経験者委員による資源エネルギー庁・エルピーガス振興センターの事前プレゼンテーションに関し概要の取り纏め
(2)消費者委員からの質問・意見等
(3)消費者委員からの質問に対する事業者委員からの回答・意見等
(4)自治体から取り組みに関する報告
(5)行政のLPガスの料金透明化・取引適正化の取組みについて
テーマII.に関して以下の議論がありました。
事前に通報フォーム等でアプローチしているというところで、自主取組宣言をするような事業者がたくさん出てきていると伺い、良い方向に進んでいると全体的には捉えております。ただ未だにそれを知らないという事業者もいると伺っています。また、悪徳事業者と言われるような事業者も存在するので、また新たな抜けが出るのではないかということも懸念しています。九州・沖縄地区はとても良い事業者が多いということで風通しもいいということですが、地域の差があるかと思いました。
また、三部料金制の周知徹底というところはすごく大事なことだと私たちは思っています。ただ、料金表などに印刷するという事業者もあるようですが、書き方についての工夫や統一ということも必要ではないかと思っています。
デジタル化への移行ということも先ほどお話を伺いましたけれども、デジタル化をすることでやはりそれに対応できない人もいるので、紙ベースというのも多少必要ではないかと思っています。しかしその書き方についての工夫や統一は必要ではないかと思います。それぞれの事業者にお任せするとさまざまな書き方になり、引っ越しを繰り返すような方や転勤が多い方には各地域で書き方が違うと分かりにくいということがあります。透明化というのはそういうこともきちっと分かる、どこに行っても分かるということが大切だと思います。
商慣行について、自主取組宣言をしている事業者がだいぶ増えてきているということを申し上げましたが、資料を見ると長崎県が80.48%と高い数字です。また熊本県が80%を目指す、宮崎県は100%を今年度中に目指すという、事業者の意気込みがとても高い地域であると感じました。
次にアンケート調査の回答率なのですが、九州が全体で41%、沖縄地方が33.5%、昨年よりも10%ぐらいずつ上がっています。今年度は省令改正の初めての年ですので、もう少し回答率が上がると、前年度までとの新旧の体制がどう改善され、改良されていくということがはっきり分かると思いますので、事業者の皆様ご苦労だとは思いますが、回答率を上げて いただければ今後にとても役立つのではないかと思いました。
最後に罰則について、これは事業者というよりも悪質な事業者に対する行政の問題と思いますが、例えば、罰則金が最高30万円というのは少なすぎるような気がします。事業者の規模に応じて罰則金などを設けることは悪徳な事業者の排除にいいと思いますし、健全に頑張っている事業者への励みにもなると思います。
ガス料金について、消費者に対してのお知らせ、啓発はどのようになっているかと思っているところです。チラシなのかネットなのか、そういったところが分かればいいと思っています。
あと、料金表についてもどの設備にいくら請求していて、基本料金と従量料金はいくらと明確に表記した方がいいと思います。
沖縄県は LPガス普及率が80%台で、LPガスがないと生活できないという状況です。その中で離島ということもありまして、料金面では輸送費がかかるためとても高くなっていると聞いています。政府でいろいろと物価高騰対策をしていますが、その中でLPガスに対しても補助金が出るのかという点が気になっていますのでそれをお聞きしたいと思います。
三部料金制の件ですが、基本料金、従量料金、設備料金がある中で、ロール紙を使っているため中身を詳しく書いてと言われても難しい問題があり、トータルを入れ込む形にしています。でも会員にはいつでも消費者に説明できるよう指導しています。
三部料金制ですが、会議や講習会等では毎回、会員には内容を説明している最中です。これから先、法施行前の投資についてはそのままでいいということですが、入居者が変ったら新しい法律で、といった説明も含めた点を会議また講習会で説明していく方針です。
料金透明化の中で公表については、検針表等々に従量料金何十㎥から何十㎥まで単価は○○円という形で表示を行いながら、この料金は○○円ということが説明できるように取り組んでおりますし、今後この辺りを徹底してきちんとした料金表として運用していきたいと考えています。
あと、よく全国的にガソリン料金が○○円で、県平均○○円というマスコミでの公表等があります。消費者センターや主婦連で悪徳ブローカーなどが発覚した場合は、是非とも公表していただきたいと考えています。公表することで料金透明化・取引適正化により近づいていくのではないかと考えています。
昨年7月に過大な営業行為の制限ということで改正省令が施行されました。そして今年4月には三部料金制の徹底ということがスタートしましたが、LPガス業界として反省すべき点があったのではないかという感じがあります。
過大な営業行為に関しましては、大変消費者にご迷惑をかけたということです。施行後、鹿児島県では非常にいい形でこういった行為が徐々に減ってきていると感じています。
また、三部料金制は鹿児島県も協会としまして、県の委託を受けまして立入検査の実施、また保安講習会を行っており、その中で、料金に関しての講習、また徹底した形で三部料金制に移行するという指導をしているところです。感触も良く、ほぼ三部料金制になってきていると思っています。
また、自主取組宣言に関しましても、そういった機会を得て自主的に宣言してください、という周知をしているところです。約20数%というところですが、これに関しても徐々に進めています。
取組宣言していない事業者は商慣行の行為をしているという思いを持って、100%を目指して進めていきたいと思います。
(3)総括:福岡大学 商学部 笹川教授
全体を総括し笹川教授より以下のコメントがありました。
今日のご意見、保安ではもうかなりもう技術的に進展しています。あとは、メーカーの姿勢としても消費者事故というのは消費者に非があるのではなく、事故を起こさない体制をメーカーとして構築していく、そういう方向で研究開あるいは営業などのあり方を検討しているというご報告をいただいたと思います。この方向で日本のメーカーの皆様には引き続き、取り組みを強めていっていただきたいと感じた次第です。
次に紙の請求書について。確かに人手不足のためDXという形の一環として請求書や領収書もデジタル化しているというのは時代の姿勢です。しかし、そこに対応しきれない 方々、高齢者だけではなく障害をお持ちの方を含めて、取り残さないという心構えで、紙の問題についても答えをいただきたいと考えた次第です。
それから、悪質な業者について。消費者センターの方で相談が入った場合には、その業者名を公表してもらいたいということがあったかと思います。これについて公正取引委員会などでは事業者の名前を公表しています。
協会ベースでも結構ですので、具体的な名前がなくてもこのようなことをしている事業者がいるということで、協会の方々であればどの辺りの事業者のことを言っているのか予想がつくのではないかと思います。従って、確たる情報がなくても、問題があるということを行政から協会あるいは自治体間で共有することで、消費者問題を未然に防げる体制は構築できるのではないかと思った次第です。
エネ庁から話があった通報フォームについて。意外だったのは九州・沖縄地方というのは消費者に対して丁寧に対応しているという評価がありましたが、逆に通報フォームの件数は非常に多いということでした。これをどう理解するかということですが、昨今の権利意識の高まりはあるかと思いますが、消費者に十分な理解や仕組みが伝わっていないところがあるのかと思います。
それだけではなく、通報フォームの分析などもやっているということで、自治体はこれを活用して、それぞれの県協会に分析結果をお伝えするなどして積極的に事業者、自治体そして消費者と情報共有を図っていくことが、これからますます必要になるかと思った次第です。事後的なチェックは趨勢かと思いますが、同時に未然防止の観点もこれからますます大切になっていくと思いますので、その辺りもよろしくお願いしたいと思った次第です。
(広報室)