LPGC WEB通信
Vol.137 2025.10.10発行
令和7年度東北地方LPガス懇談会が開催されました
経済産業省資源エネルギー庁の委託事業「石油ガス流通・販売業経営実態調査」として、当センターが実施する東北地方LPガス懇談会が、去る9月3日に開催されました。
対象の青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県の消費者委員、事業者委員、学識経験者委員、自治体等行政関係者が出席しました。
本年度のテーマとして予め設定した、
(1)保安(LPガス事故の発生を防ぐために)
(2)LPガスの料金透明化・取引適正化について
各テーマについてそれぞれ活発な意見交換が行われました。
本年度も、テーマに基づきエリアを越えた共通課題に対し、従前にも増して議論が深まりました。
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LPガス懇談会について
(1)目的 LPガス取引適正化の観点から、LPガスの諸問題について、消費者団体、 事業者団体、自治体、学識経験者等が一堂に会して意見交換・議論を行い、 関係者相互間の理解を深めると共に、LPガス産業の健全な発展に資する。
(2)方法 全国9ヵ所の各経産局管内の主要都市にて開催する
(3)参加者 消費者委員…………各都道府県消費者団体の幹部等
事業者委員…………各都道府県LPガス協会の幹部等
学識経験者委員……知見を有する大学教授等
自治体………………各都道府県のLPガス担当部署及び消費生活担当部署
行政…………………経済産業省、地方経済産業局
オブザーバー………LPガス業界団体
報道関係
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議事次第
(1)開会挨拶
東北経済産業局 資源エネルギー環境部 資源・燃料課 小川課長
本日の懇談会のテーマは大きく「保安」と「取引」という関係になりますが、特に今年4月に完全施行されました省令改正によるLPガスの商慣行是正への取り組みについて、ご出席いただいた皆様の関心が高いかと思われます。商慣行見直しに向けた取組宣言を行った事業者は現在、大体2600社を超えていると言われておりますが、全国で見ますとまだ18%に過ぎません。なお、東北地域については24%と比較的高く、事業者には積極的にご対応いただいているものと思っております。
また、通報フォームには一時期より落ち着いておりますが、月に大体140件の情報が寄せられているという現状となります。
今回の問題の解決におきましては、関係機関が一丸となって、ステークホルダーの認識向上や適切な法施行に向けて、監視体制を強化していくことが重要であると思っております。そのため懇談会では各機関の取り組み内容を始めとしまして、忌憚のないご意見をいただければと思っております、と挨拶がありました。
(2)懇談 司会・進行:東北大学大学院 経済学研究科 吉田教授
テーマI.「保安」について
(1)学識経験者委員による経済産業省ガス安全室の事前プレゼンテーションに関し概要のとり纏め
(2)消費者委員からの質問・意見等
テーマI.に関して以下の議論がありました。
災害時、最初に私たち消費者が行うガス栓を閉めるという行為ですが、何もない時は頭の中では分かっていることですが、慌てているとなかなかできない行為ですので、地道ですが官民上げて何度も消費者団体も繰り返して呼びかけていくということが必要と感じております。
また最近の保安ではガスボンベには二重にチェーンを巻くというようなことがきちっと義務付けられており、そのような工夫がされております。私も旅行先で街歩きをしてガスボンベがあるようなところはチェックしておりますが、大概きちっとなされているというのを感じております。これは事業者の努力の賜物であると思いますので、今後も続けていっていただきたいと思います。
事故を未然に防ぐために色々な努力を事業者も行政も行っています。消費者が責任を負うということがあると大変だと思いますので、そこは技術的な発達を待つしかないと思います。事業者も行政も啓蒙という段階で消費者に新しい情報を常に送り届けることが事故を未然に防ぐためには必要になると感じました。
ガス漏れに対応するような機器も出ていますが、こういったものをさらに消費者にお知らせして、機器をつけるにはお金がかかるので経済的なバックアップも今後は必要になってくるのではないかと思っています。
死亡事故は3年連続0ということで、それは素晴らしいと思います。ただし、事故の発生場所について消費者側にもいくつか理由があり、現在は高齢社会になっていますので、高齢者に対しての啓発が大切になってくるかと思います。高齢者は手指の力も弱くなり、認知機能がだんだんと衰えてくるので、こういったところへの配慮が現在どうなっているのか教えていただきたいと思います。
テーマII.「LPガスの料金透明化・取引適正化」について
(1)学識経験者委員による資源エネルギー庁・エルピーガス振興センターの事前プレゼンテーションに関し概要の取り纏め
(2)消費者委員からの質問・意見等
(3)消費者委員の質問への事業者委員からの回答・意見等
(4)自治体から取り組みに関する報告
(5)行政のLPガスの料金透明化・取引適正化の取組みについて
テーマII.に関して以下の議論がありました。
事前に通報フォーム等でアプローチしていると伺い、また自主取組宣言をする事業者も出てきているということで、全体的には良い方向に進んでいると捉えております。
三部料金制の周知徹底について、まず周知するということで消費者にとっては料金表の表示の仕方が事業者によってまちまちというところに懸念を感じております。書き方についての工夫や統一も必要ではないかと感じています。それぞれの事業者にお任せするとさまざまな書き方になってしまいますので、引っ越しを繰り返すような方、転勤の多い方は地域で書き方が違っていると分かりにくいことがあります。
商慣行について以前からお聞きしていて不思議だと思っていました。三部料金制の徹底ということで始まったということは消費者にとっては分かりやすくなったと思いますが、内容を消費者に伝える時の方法は誰が見ても分かりやすく、複雑な説明ではない方が誰にとっても読みやすくなるかと思います。設備料金については、説明をきちんとしないとトラブルの元になってしまうので、三部料金制に関して消費者に詳しく分かりやすく提示していただきたいと思います。
まずは商慣行が是正されて、それが実行されてきていることが本当に喜ばしいと思っております。ただ、協会などのアンケートや説明を聞いておりますと、まだそれに応えきれていない事業者も多いと聞いております。事業者の中には非常に力もあり、大きな事業者もあれば、零細事業者もあると感じています。ホームページに情報を挙げられていないところもありますし、アンケートにも答えていないという事業者もあると思います。そこの理由が何かというのが消費者として興味があるところです。働いている方の数が少ないなど、余裕がない事業者には協会などがバックアップすることで情報が一律に伝わっていくような形にしていただくことが重要かと思います。こういうことも含めて、一歩ずつ先に進んでいい方に向かっていければいいかと思います。
省令改正については、制度改正に向けて当初案が出された段階から2年経過しており、2 年以上かけて事業者に対して浸透を図ってきました。直近では7月に規制当局である県の担当官より省令改正について詳細な説明をしていただきました。青森県の場合は、県の立ち入り検査でも、この件に関して指摘、指導されているというのは分かっておりますし、その内容も踏まえた上で詳細の説明をいただいております。協会からも講習会の中で今春に3本の柱の最後として施行された三部料金制の対応に関する再確認として14条書面、販売通知書の改定と三部料金制の表記についても改めて説明しています。実際事業者から出ている声としては、紙ベースではなくWeb明細に移行している事業者もありますのでWeb明細の中で三部料金制をしっかり示してほしいという説明になります。
今回の大きな省令改正について、全事業者の講演会、講習会、勉強会を何度も行ってきました。その結果、ほぼ全事業者が理解していると思いますし、またほとんどの事業者が実行に移していると思っています。集計の確かな数字は出ておりませんが、おそらく9割以上は新しい省令改正に基づいて、業務を行っていると思っています。
東北6県としての協議会があって、そこは統一しながら各事業については同じ認識のもとで動いています。ただ、三部料金制であれ、料金透明化であれ、商慣行是正という部分に関しては、LPガス業界だけでは、どうにもならない部分があります。例えば、戸建て、共同住宅とあり、共同住宅の場合は入居者に対する説明責任が事業者には課されます。しかし、事業者はそういう対応を取ろうとしても不動産事業者や斡旋者が勝手に進める結果、後で問題になるということが実際いまだに起きています。これは事業者だけの問題ではなく、省庁としてももう少し強い姿勢で不動産業界やリフォーム会社等の協会などにご指導いただければありがたいと思っています。
(3)総括:東北大学大学院 経済学研究科 吉田教授
全体を総括し吉田教授より以下のコメントがありました。
総括は大きく分けて2つです。1つが保安の安全性の問題。何より重要な問題であって、死亡事故0を継続するためにはとても大事なことだと思います。今日出たのはハード面で、ガスが漏れないような機器の開発や設備の改善。ハード面とソフト面、それを使う消費者に気をつけるべき点を伝える、あるいは問題になっているようなガス事業者以外の事業者が住宅設備を改変する時にガスの栓を開けたままにしてしまい、新橋ではガスが飛び出ていた端末の栓を剥ぎ取ってしまってガスが漏れっぱなしになったなどがありますので、ハードもそうですけれども、それに関わるヒューマンファクターの方も事故が0になるように工夫していくということが意見としてあったと思います。
それから、何年も前から料金適正化の議論が毎年テーマになっておりまして、やっと基本的な枠組ができて、こういうガイドラインでやりましょうということが基本的な枠組になってきましたので、来年度以降、運用や実効性のところで実りあるものにしていくステージに入ったのではないかと思います。
来年度以降、今年実際に運用してみての結果や三部料金制の表示、あるいはインターネット表示での事業者の進み具合も統計的に明らかになってくると思いますので、来年はかなり前進したと評価できるような事態が来るものと期待しております。
それから事業者も消費者も高齢化していて、いろんな表示や文書なども内容として読みやすいもの、見やすい配色、活字の大きさなども気をつけていくために、経産省またはエネルギー庁、あるいは各県LPガス協会がガイドラインをもっと積極的に出していただいて、大きなプラットフォームを形成していって個々の事業者が1からひねり出して文章を作るのも大変だと思いますので、共有できるところは共有していくようになっていければと思いました。
(広報室)