LPGC WEB通信 Vol.123 2024.08.13発行

 令和6年度北関東地方LPガス懇談会が開催されました
 
経済産業省資源エネルギー庁の委託事業「石油ガス流通・販売業経営実態調査」として、当センターが実施する北関東地方LPガス懇談会が、去る7月25日に開催されました。
対象の茨城県、栃木県、群馬県、新潟県、長野県の消費者委員、事業者委員、学識経験者委員、自治体及び行政が出席しました。

本年度のテーマとして予め設定した、
①LPガスの料金透明化・取引適正化について
②保安(LPガス事故を防ぐために)
各テーマについてそれぞれ活発な意見交換が行われました。
本年度も、テーマに基づきエリアを越えた共通課題に対し、従前にも増して議論が深まりました。

LPガス懇談会について
(1)目的  LPガス取引適正化の観点から、LPガスの諸問題について、消費者団体、        事業者団体、自治体、学識経験者等が一堂に会して意見交換・議論を行い、        関係者相互間の理解を深めると共に、LPガス産業の健全な発展に資する。
(2)方法  全国9ヵ所の各経産局管内の主要都市にて開催する
(3)参加者 消費者委員…………各都道府県消費者団体の幹部等
       事業者委員…………各都道府県LPガス協会の幹部等
       学識経験者委員……知見を有する大学教授等
       自治体………………各都道府県のLPガス担当部署及び消費生活担当部署
       行政…………………経済産業省、地方経済産業局
       オブザーバー………LPガス業界団体
       報道関係

議事次第
(1)開会挨拶
   関東経済産業局 資源エネルギー環境部 資源・燃料課 半仁田課長

LPガスは可搬性や備蓄性に優れていることから大規模災害においても迅速な復旧が可能なエネルギーです。本年元日に発生した能登半島地震においても、補助金によりLPガスタンクを設置した福祉施設などが避難所として活用されたことなどから災害時のエネルギー供給の最後の砦でとしての役割が果たされたものと考えております。災害時エネルギー供給の観点とともに、料金透明化・取引適正化に向けた対応も重要と考えております。このためLPガス業界の商慣行そのものを是正すべく、液化石油ガス法にかかる法令が改正されました。一連の制度見直しの実行性を確保するためには国や自治体の皆様による法執行体制の整備や関係省庁との連携とともに、これまでの商慣行を是正していこうとするLPガス事業者の皆様の取り組みを後押ししていくことも重要と考えております、と挨拶がありました。

(2)懇談 司会・進行:青山学院大学 総合文化政策学部 内山教授

テーマⅠ.「LPガスの料金透明化・取引適正化」について

① 学識経験者委員による資源エネルギー庁・エルピーガス振興センターの事前プレゼン
 テーションに関し概要の取り纏め
② 消費者委員からの質問・意見等
③ 消費者委員の質問への事業者委員からの回答・意見等
④ 行政のLPガスの料金透明化・取引適正化の取組みについて

テーマⅠ.に関して以下の議論がありました。
今お話をお聞きして、事業者の方が今回の省令改正をものすごく真摯に受け止めてくれていると感じました。その一方で消費者側の考えを捉えきれていないとも感じました。消費者に知ってもらいたいことや現在の状況を消費者にもっと訴えてくれてもいいのではないかと感じました。事業者だけでなく消費者も巻き込んで、問題解決に取り組めればいいと思います。との意見が寄せられました。

テーマⅡ.「保安」について

① 資源エネルギー庁目黒室長補佐による解説
② 消費者委員からの質問・意見等
③ 消費者委員の質問への行政からの回答
④ 消費者委員の質問への事業者委員からの回答・意見等

(3)総括:青山学院大学 総合文化政策学部 内山教授
全体を総括し内山教授より以下のコメントがありました。
料金透明化への関心は非常強いと感じた懇談会でした。この料金透明化というのは単に三部料金制にするということだけではなく、違う側面があるということが今回見えてきたと思います。大手事業者はコンプライアンスを遵守してもらいたいという話がある一方で、地元の事業者においても料金の透明化を世の中に幅広く周知する努力を引き続きしていかないと、なかなか健全な市場に向かうことはないと感じました。
(広報室)