LPGC WEB通信 Vol.116 2024.01.04発行
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令和5年度四国地方LPガス懇談会が開催されました |
経済産業省資源エネルギー庁の委託事業「石油ガス流通・販売業経営実態調査」として、当センターが実施する四国地方LPガス懇談会が、去る11月13日に開催されました。対象の香川県、徳島県、愛媛県、高知県の消費者委員、事業者委員、学識経験者委員、自治体及び行政が出席しました。 本年度のテーマとして予め設定した、 ①LPガスの料金透明化・取引適正化について ②保安(LP事故の発生状況等) 各テーマについてそれぞれ活発な意見交換が行われました。 本年度も、テーマに基づきエリアを越えた共通課題に対し、従前にも増して議論が深まりました。 |
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1 LPガス懇談会について |
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(1)目的 LPガス取引適正化の観点から、LPガスの諸問題について、消費者団体、 事業者団体、自治体、学識経験者等が一堂に会して意見交換・議論を行い、 関係者相互間の理解を深めると共に、LPガス産業の健全な発展に資する。 (2)方法 全国9ヵ所の各経産局管内の主要都市にて開催する (3)参加者 消費者委員…………各都道府県消費者団体の幹部等 事業者委員…………各都道府県LPガス協会の幹部等 学識経験者委員……知見を有する大学教授等 自治体………………各都道府県のLPガス担当部署及び消費生活担当部署 行政…………………経済産業省、地方経済産業局、地方産業保安監督部 オブザーバー………LPガス業界団体 報道関係 |
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2 議事次第 |
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(1)開会挨拶 四国経済産業局 資源エネルギー環境部 岡田 俊也 部長 LPガスは国民生活に欠かせない重要なエネルギー源であり、近年では災害に強い自立・分散型エネルギーとして評価され、教育施設・福祉施設・避難所施設などにGHPなどのガス機器導入が進んでいるところです。四国地域では今後30年以内に70~80%の確率で南海トラフ地震が起こるとされており、更なる対応が期待されているところです。一方家庭におきましては、使用世帯数の減少に加え、給湯器等のガス機器の高効率化・省エネ化を背景として、需要が徐々に減少するという厳しい環境に直面しております。今後も引き続き消費者に選択されるエネルギーとなるために、消費者との信頼関係の構築が重要と考えております。さて本懇談会は消費者・販売事業者・行政関係者が一堂に会し、LPガス産業の現状と課題等について情報提供と意見交換を行い、消費者利益の向上とLPガス産業の健全な発展に資することを目的として全国各地で開催しているものです。本日のテーマであるLPガスの料金透明化・取引適正化につきましては、関係者一丸となってこれからも消費者からの声に真摯に対応していただきたいと考えております。またLPガスの安定供給の前提には保安の徹底による安全の確保が重要です。昨今、四国管内における豪雨、その他各地で災害クラスの大雨浸水被害等が多く発生しております。本日ご出席の皆様方におかれましては、LPガスの安全かつ安定的な供給にご尽力されてきましたことに深く感謝申し上げますと共に、今後もご協力をお願いいたします。皆様方におかれましては忌憚のないご意見・ご指摘をいただき、本懇談会が有意義なものになりますようにお願いいたしまして、ご挨拶とさせていただきます。 |
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(2)懇談 司会・進行:香川大学 経済学部 古川 尚幸 教授 テーマⅠ.「LPガスの料金透明化・取引適正化」について ① 学識経験者委員による資源エネルギー庁・エルピーガス振興センターの事前プレゼン テーションに関し概要の取り纏め ② 消費者委員からの質問・意見等 ③ 消費者委員の質問への事業者委員からの回答・意見等 ④ 行政のLPガスの料金透明化・取引適正化の取組みについて テーマⅠ.に関して以下の議論がありました。 事業者委員からは、現在は過剰投資の競争が起こっている状況で、消費者が置き去りにされてしまっているという意見やお客様目線で業界の問題を解決する覚悟が必要だとの意見が多数ありました。また、消費者委員からは状況をきちんと把握して、新たな投げかけや提案をしていくことが重要だとの意見や小さな会社が過剰投資競争を生き抜くのは厳しいので、抜け道のないきちんとした法整備をし、まじめな販売事業者が生き残れるようにしてもらいたいとの意見が聞かれました。 テーマⅡ.「保安」について ① 学識経験者委員による経済産業省ガス安全室の事前プレゼンテーションに関し 概要の取り纏め ② 消費者委員からの質問・意見等 ③ 消費者委員の質問への行政からの回答 ④ 消費者委員の質問への事業者委員からの回答・意見等 (3)総括:香川大学 経済学部 古川 尚幸 教授 全体を総括し古川教授より以下のコメントがありました。 料金透明化・取引適正化に関しましては、議論の中でもございましたように地域差があるということで、今日実際に消費者委員の皆様からも、それについてご意見をいただきました。一部ではトラブルや問題があるというご意見もございましたけれども、四国においては多くトラブルがあるといった場所ではなく、他の地域と比べると少ないと感じているところでございます。けれども、それは表面化してきている問題でありまして、まだ表面化してきていない問題がございます。例えば高いガス料金を自分は払っているのではないかと日々感じて過ごしておられる方の存在などが、それにあたります。私の専門は商品学という分野なんですが、商品知識や商品情報というのはLPガス事業者と消費者にとっては非対称であり、なかなか我々消費者側に情報や価格、どのあたりが本当の価格・適切な価格なのかというのはなかなか分かりにくいところでございます。ですから商品知識とか情報格差があるということを前提にLPガス事業者の皆様には説明責任を果たしていただくことが大事なことだと思っております。またそれが料金透明化・取引適正化に繋がるものと思っております。保安につきましては先ほど説明にもございましたが、LPガスは環境に優しく災害に強いという素晴らしい特性がございます。せっかくそういった素晴らしい特性があるLPガスですから、これからも長く我々消費者が使っていくためにも、是非そういった情報を我々にも教えていただきたいですし、野田委員からも先ほどありましたが、消費者教育というものが非常に大事であると感じました。私はあまり聞いたことはなかったのですが、食育とか花育とか今よく言われますけど、同じように火育という火について勉強するといったことに、LPガス事業者の皆さんが取り組まれてるということですので、そういったことも引き続き取り組んでいただき、我々も勉強していかなければいけないのですが、そういった情報提供もLPガス事業者の皆様方から積極的に行っていただければと感じたところでございます。 |
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(広報室) |