LPGC WEB通信 Vol.62 2019.05.10発行
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LPガス国際セミナー2019 開催報告(講演内容) |
3月5日(火)~6日(水)にわたり東京/大手町の日経ホールを会場に開催しましたLPガス国 際セミナー2019の初日の後半並びに2日目の講演内容をご紹介します。 |
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(会場の様子:荒木エルピーガス振興センター理事長の開催挨拶) | |
<<初日(3月5日)後半の部の講演>> |
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4.講演:エンタープライズ・プロダクツ・パートナーズ (米国) バイスプレジデント ジャスティン・クライデラー氏 テーマ「米国の供給とアジアの需要を繋ぐ:拡大する国際パイプライン」 |
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【講演内容】 ●米国ガルフコーストの原油、天然ガス、NGLの生産は増え続けるが米国内需要は伸びず、輸 出に頼らざるを得ない。 ●米国の原油は増産し価格は下落、米国は消費量を上回る軽質原油が生産されている。 ●LPGの供給は既に国内需要を上回り、更なる輸出設備が必要とされる。 ●米国ガルフコーストからのLPG輸出は2018年が395百万bbl(33百万トン)でアジア向けが 50%。 ●液状炭化水素の需要が伸びているのは新興市場である。 |
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5.講演:世界LPガス協会 (フランス) デユピティ・マネージングダイレクター マイケル・ケリー氏 テーマ「明日のエネルギーの現状」 |
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【講演内容】 ●世界の生産は堅調に1.4.%の伸びを示し309百万トンで、この10年間で50百万トン伸びた。 ●主要な生産地域は北米、中東、アジア・パシフィックである。 ●北米は今や主要な生産国で最大の輸出国である。 ●世界の需要の伸びは1.7%で300百万トンを超えた。 ●オートガスの需要は減少したがアジアの伸びは5%以上で、特にインドは1.5百万トンの増で ある。 ●主要な需要地域はアジアが半分弱で、北米、欧州と続く。 ●需要開拓の鍵:発電、オートガス、舶用燃料、家庭(調理)。 ●将来の展望としては、インターネットの活用、バイオLPGがある。 ●次の10年で更に50百万トン増やそう。 ●ポスト2030は、将来のエネルギーミックスのパートになる。 |
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6.講演:サウジ・アラムコ (サウジアラビア) マーケティング・コーディネーター アブドゥラ・アルバルタン氏 テーマ「比類なき機会」 |
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【講演内容】 ●アラムコは現在、原油の確認埋蔵量2,567億バレル、720億バレル相当の天然ガス、480万 バレルの精製能力を有している。 ●アラムコのビジネスは、顧客との長期に亘る良好な関係を続けることによって牽引されてい る。 ●サウジのLPG輸出はここ数年7%ほどの緩やかな伸びを示し、2018年は9百万トン。2019年 は原油減産であるのでLPG生産を予測するのは難しい。 ●2018のLPG輸出はP/B比率が45/55と少しブタンリッチであり、これはここ数年変わってい ない。これは特に中国とインドのブタン需要が著しく伸びていることに対応している。 ●中国はずっと世界で最大の需要地であり最大の輸入国で昨年は19百万トン輸入し、その内 2百万トンがサウジから輸出されている。これはここ数年、中国の米国カーゴ離れから更に 増えることが予想される。 ●インドは2018年に13百万トン輸入し、その内4百万トンがサウジである。 ●2018のLPG価格は原油価格の乱高下に一年を通して影響された。価格は年末に向け米国から の十分なカーゴにより圧力を受け続けた。価格は米国オリジナルカーゴと非米国カーゴで作 られた2層がある。米国の日本向けカーゴは毎月価格の低下が続き、非米国カーゴはプレミ アム付きで取引された。 ●AG/日本と米国/日本の到着価格の月平均を比べると両方の価格が近づいているのがわかる。 しかし、中国の米国カーゴへの関税により、非米国カーゴへの大きなシフトを生みその価格 を高めている。 ●2019/1より新しいCPスキーム(CP M+1)を導入した。もうひとつは、ヤンブーとラスタヌ ラ間のプレミアムをなくした。 |
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<<2日目(3月6日)後半の部の講演>> | |
7.講演:ワイ・ジー・ケー/関電工 (日本) 最高技術顧問 林 義正氏 テーマ「高効率LPガスエンジン発電機の開発」 |
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【講演内容】 高効率LPガス発電機の利点 ●始動性;燃料にLPGを使うことで燃料劣化の心配がなく始動の失敗がない。 ●4点点火方式で確実に起動。 ●サイズがコンパクト。 ●LPGは災害に強い備蓄エネルギーで、災害時の供給体制も強い。 ●専用エンジン;高効率で低燃費。 ●環境性;NOx、SOx、CO2などの排出量が少なく、低騒音。 ●保守メンテナンス性;燃料が気体でかつ劣化もなく保守メンテナンスが容易。 |
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8.講演:BW LPG (シンガポール) エグゼクティブ・バイスプレジデント ニールズ・リガルト氏 テーマ「VLGC市場:違いを考察する」 |
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【講演内容】 ●輸出では、北米からのVLGC輸送は引き続き伸び続け、中東はイラン制裁とOPEC減産合意に より伸びは横ばいとなる。 ●輸入では、2019年は中国と韓国で新しいPDHプラントが拡大し、インドやインドネシアと いったアジアの新興地域の需要が強い。 ●総フリート(運航船腹)の14%が契約済みで、海運マーケットは米国輸出が伸びているので 楽観的にみている。 ●フレイト(海上輸送運賃)はここ2~3年は回復していくと予想しているが、OPEC減産合意 の現状から見方を変えなければいけないかもしれない。直近3年間はVLGCフレイトマーケッ トは損益分岐点を下回っていた。 ●輸出マーケットは米国、中東とも伸びている。米国は今年から来年にかけ更に4百万トン増 やしていくが、中東は少し増えるものの大きな伸びでない。2020年には米国の輸出は中東 全体の輸出量を上回り、需要の殆どはアジアであり米国-アジアの輸送距離は長いので海運業 者には好ましい。 ●輸入については、ここ3年間で輸入量が大きな国は中国、インドと日本でPDHが稼働する韓 国も伸び欧州は下落しているが、石化の新プラントがあるので全体需要は心配していない。 ●米国と極東のLPGの価格差が大きいとフレイトを上げることができる。2015年は価格差 $350で海運業者には華やかな時代だったが、ここ3年は$100に縮小している。 ●フリートの規模は供給が増え拡大しており、VLGCは2013年の150隻が2020年には 300隻に増え、フリート全体の14%が新造船となる。スクラップ(廃船)は少ない見込みだ が、VLGCの50%は船齢が5年未満となる一方、10%が25年以上なので老齢船はスクラ ップとなる可能性はある。 ●海運業界で重要なのはタイミングと資産価格である。新造船等価で比較すると、新造船は今 73百万$で船齢5年では65百万$となり、5年船の持分をもつことにより8百万ドル下がる。 つまり中古船を買うのがよい。あるいは株式形態で新造船をもつ方法もあり、この等価は 47百万$である。 ●2019年に見込まれる需要の伸びをVLGC船舶数に換算すると、北米13隻増、中東2隻増、 西アフリカ他で4隻の計19隻。一方2019年は新造船18隻とスクラップ6隻が予定されている ので、差し引くと7隻分の需要が勝り、これはフレイトが上がることを示す(しかしスクラ ップの実数次第で変動する)。 ●海運における混乱として以下の事象が挙げられる。VLGCの参入障壁が下がったこと、技 術と透明性が向上して効率性が高まりマージンが下がったこと、関係者の行動(40%の海運 スポットマーケットはトレーダーと用船主が動かしており、トレーダーはフレイトの最大化 ではなく取引数の最大化を目指す。彼らはフレイトをコストとみているので0でなければよ い)。 ●この状況の中で、BW LPGは3つの施策をうっている。①LPG燃料船の導入。2年間研 究しVLGCにはLPGこそ燃料にすべきと結論した。2020年までには4隻を改造し、所有 する49隻中19隻は改造可能。LPGであれば船舶燃料と積荷の揚げ降ろしが同時にできる メリットもある、②船舶のスマート化。船体にセンサーを付け陸上から船をモニタリング し、燃費改善、エンジン保全に努める。③プロダクトサービスの提供。用船代行であり、 5人の専任が顧客に付加価値を提供できる。 |
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9.講演:広東油気商会 (中国) ダイレクター ベンジャミン・ヤオ氏 テーマ「中国のLPG市場」 |
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【講演内容】 ●中国の消費はここ20年増え続け2018年の需要は55.9百万トンで2010年比2倍以上、国内生 産では追い付かず輸入が増え続け19百万で8年前の6倍以上となったが、2018年は減速し今 年は転換期となり消費/輸入の伸びが急激に鈍化する。 ●中国市場の特徴はP/Bミックスが主流で国産品でまかなわれ、PとBは輸入である。ミック スのシェアは90%から70%におちたものの2018年は38百万トン消費され前年比3.4%伸び た。国産品の生産は原油及びガソリン生産と連動しLPGは38百万トン生産され3.5の伸び を示したが減速している。 ●ブタンの国内消費は12.6%伸び4.7百万トン、輸入が9.3%伸び5.4百万トン。輸入は 90%が中東からである。プロパンは消費が1.8%増の13百万トン、輸入が2017年と同レベ ルの13.4百万トンで70%が中東品。 ●2013-2018年はLPG輸入が年平均35%増で2018年に最高輸入量となったが伸び率は 2.9%に減速した。この2年で急減速したのは、米中貿易戦争とCIF価格の値上がりが理由。 ●中国は石炭が主要エネルギー源で、石化ではCTOがPDHと競合する。燃料分野では、石炭、 天然ガス、石油製品がLPGの競合相手。 ●2018年は米国からの輸入は54%下がり1.6百万トンで輸入シェアは8.5%、中東は急増し 14%増の13.6百万トンでシェア70%以上。2018年8月に中国が米国LPGに25%の関税を課 して以来、米国輸入は0。 ●PDHについては7基稼働しておりLPG消費量はフルキャパで5百万トン、2019年は更に3基 稼働予定で2021年までに40基以上のPDHが計画されている。 ●供給は5製油所が増え国産、輸入とも増え続ける。 ●LNGは2018年に54百万トンされ今後もLNGターミナルが増るので、家庭/業務用で、LNGと LPGとの競争が増す。 ●米中貿易交渉は既に7回行われ歩み寄りがみられるものの、今年の米国品輸入は限定的と思 われる。 |
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10.講演:パラミ・エネルギー (ミャンマー) COO スティーブ・マクブライド氏 テーマ「ミャンマー:実情の洞察、新たな組織と挑戦」 |
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【講演内容】 ●パラミ・エネルギーは日本の商社に事業形態が似ており、まずアップストリーム部門をも ち、ここではシェブロンとパートナーでガス田のマイナー権益を保有している。つぎにミニ グリッド部門があり300kwのプロジェクトを2つ保有し、さらにLPガス部門をもつ。会社経 営ではCSRの重要性を認識している。 ●ミャンマーは14の州と地方域があり、人口は英国に相当する5,500万人で電気を利用できる 人が30~35%。MoEE(ミャンマー電力エネルギー省)は2030年までに100%電化する目標 を持っている。調理には80%の国民が薪や木炭を利用している。世帯数は1,000万で1世帯 あたり5~6人の構成である。都市部では20%の世帯が電気で調理している。LPガスも使っ ているが主たるエネルギー源ではなく、夏場やピークロード時でなくても頻繁に停電する際 にLPガスが代替で使われている。 ●LPガスの供給は年間10万トンで、これまであまり伸びていないが、今後5~10年の間に年率 15%の伸びが予想されている。周辺国と比較すると、タイは400万トン、バングラデシュが 50万トン、カンボジアは人口がミャンマーの1/4だがLPガス消費は2倍ある。 ●薪や木炭の使用が多いので森林破壊が急速に進み、とくに北部で違法伐採がおきており、そ れゆえに環境、健康面からもクリーンエネルギーLPガスが必要となっている。 ●LPガスの許認可については最も重要なライセンスAは殆どのことができる。輸入、基地と埠 頭の建設、販売をカバーし、このライセンス所有者は5~6社あり10ターミナルできてい る。 但し許認可をとれたからその事業がすぐに実現するわけではない。パラミ・エネルギーも、 2017年にMPE(ミャンマー石油ガス公社)がLPガスターミナルを1~2年の期間でレンタルに 出した際に入札に参加し運営を開始した。 ●政府目標は2020年までにLPガスで調理する家庭を200万世帯に拡げるとしていたが、その 後100万世帯に下方修正した。ヤンゴンに100万世帯あるが40万世帯は義務化されており現 在は5%に相当する50万世帯位がLPガスを使用している。これらの世帯は前述の通り、調理 には主に電気を使い、LPガスは停電時のみ使われている。 ●LPガス産業の課題は、安全文化に乏しいこと。衛生、安全、環境文化を根付かせていくこと が重要である。市場調査の結果、人々はコストを最重要視しており、都市部と農村部の中間 地域では薪を使っている。台所、衣類の清潔さ、健康に大きく影響を与えており、クリーン エネルギーを導入することと新しいテクノロジーを開発していくことが重要である。また、 人々にその重要性を理解させていくことも大事である。 ●輸入についてはVLGCは喫水の問題で着岸できず、最大で2,000トンクラスの船舶でありこ のタイプは需要が高く汎用性がない。現在、深水港を建設しているがヤンゴンから遠いので ヤンゴンへの供給にメリットは少ない。 ●配送については都市部は交通渋滞が激しく、ヤンゴンには45地区740居住区あり複雑な状況 である。農村部には需要が少なく違った問題がある。パラミ・エネルギーは供給では都市部 に焦点をあて、充填機、輸送、シリンダーに投資している。キャッシュフロー、資金が重要 である。 ●LPガスに関する法規制がなく、日本政府が法規制の整備にミャンマー政府を支援している。 日本の貢献を期待する。また、ミャンマーでLPガス協会を設立していきたい。 ●LPガスは電気との競合であるが、電気にはkwhあたり3セントという高い補助金が提供され ており、政府の供給コストは3倍かかっているので、持続可能なモデルではない。しかし選 挙があるので政府は手をつけられていないが、最近のサミットで住宅向け電気補助金を変更 していくと表明した。LPガスの補助金は資金面より導入が難しく、世銀等に手を貸してほし い。 ●まとめとして、LPガスの普及には都市部は補助金、農村部には健康と環境対策、法規制の整 備、業界の標準作成、国民と投資者に対するインセンティブが重要である。最大のミッショ ンは安全なLPガスの提供である。 |
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11.講演:インド石油公社 (インド) チーフ・マネージャー ヴィジェイアラガヴァン・ラクシュミナラヤナン氏 テーマ「ミインドのLPGサプライチェーン・マネジメント」 |
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【講演内容】 ●LPガスはインドの成長のストーリーであり、今政府が特に注力してLPガスが一般家庭で使わ れるように取り組んでいる処であり、またインドの地方までもグローバル・サプライチェー ン・マネジメントの一環として供給される取組みを紹介する。 ●まずバルク輸送については、輸入基地及び製油所/ガス抽出プラントを起点に、そこから3つ の輸送形態がある。主なものは道路、次にパイプライン、そして鉄道である。シリンダー輸 送では、まず充填を行い、販売事業者(ディストリビューター)に送られて、そこから一般 家庭に送られる流通過程である。 ●インドには、22製油所で年間980万トン生産、10抽出プラントで年間210万トン生産、 14輸入基地で年間1,210万トン受け入れているが、まだ能力不足である。充填所は191ヶ所 あり、国営3会社(IOC/BPC/HPC)が運営しているがIOCが中心である。販売事業者は 22,654社、顧客は2億5,670万軒である。 (需給) ●LPガスの成長ストーリーが始まったのは、政府がLPガスの年と銘打った2016年から。全国 の家庭でLPガスが使えるように普及させることに取組みだした年で、普及率は当初2016年 1月1日時点の56%で1億4,800万軒が利用していたが、今年2019年1月1日時点では普及率 が89%、2億5,760万軒が使用し、全国民13億人の80%を超える人に普及した。 ●この成長の原動力は政府の支援である。政府が調理にLPガスを使用する方針を打ち出したこ と、補助金の支給で入手しやすくなったこと、人々の環境/健康に関する意識が高まったこと が挙げられ、この成長は少なくとも今後10年は続いていく。現在では毎日450万本のシリン ダーが配送され、2億5,760万軒の消費者がいて、2017-18年の1年間で新たにLPガスを使 用し始めた消費者が2,800万軒ある。 ●LPガスは石油製品全消費量の11%をしめ、年間消費量2,302万トンの88% 2,030万トンが 家庭の調理用で、他に業務用が9%、バルクで供給され燃料として使用される工業用が2%、 オートガスが1%である。 ●この10年間でかなり伸びており、需要が94.5%伸び、国内生産が23%伸びて残りが輸入で まかなわれた。輸入は2009-10年250万トンだったものが、2018-2019年は1,210万トンに なった。今後10年間で需要が44%伸びるが国内生産が39%しか増えず需要においつかない ので残り50%を輸入に頼らざるをえない。輸入は2024-25年に一度下がり1,400万トンにな るものの伸び続け、2,050万トンを超える。 ●セグメント別の需要の伸びは、家庭用が91.2%、工業用が2.6%、天然ガスとCNGと競合す るオートガスが0.7%、業務用が5.5%。 ●供給は、輸入が48%、国営製油所が34%、民間製油所が6%、ガス抽出プラントが5.5%。 製油所のキャパは980万トンでIOCが330万トン、更に490万トンの増設が計画されていて 1,560万トンになると予想しており、既に今年だけでも25%伸ばすことになる。キャパがど んどん増えるのは輸入基地、元々はブタンの輸入のみであったが、ブタンが入手しにくくな り価格も高くなったのでプロパンの輸入が増えていく。プロパンの輸入は40%以上伸び、 VLGCによる輸入も65%伸びているが、輸入基地のキャパは今後10年の需要の伸びをカバー できる。 (貯蔵と充填) ●1,743万トンの充填能力があり、需要の伸びにあわせキャパを増やす準備をしている。既に 280万トンの設備を建設中であリ、2021年には2,578万トンになる。 ●貯蔵能力は現在88万トンで16日分の備蓄量に相当し、充填所に7日分の備蓄を持つことにな る。輸入基地のキャパを増やし2021年には98.8万トンになる。 (輸送と物流) ●56%がトラック輸送で1,420万トン、2,000kmのキャパをもつパイプラインが38%で 950万トン、鉄道が6%で150万トン。政府はカンダラ-ガラプール間2万4,000kmの中央イ ンドパイプライン計画を承認し、年間600万トン運ぶ予定であり、既存のジャムナガール-ロ ニ間パイプラインも拡充し年間250万トン運ぶ計画である。 (二次流通ネットワーク) ●充填所からシリンダーで配送するものと、オートガスはトラック輸送、工業用はバルクで配 送している。 (今後の計画) ●製油所はアップグレードしLPガスの得率を上げる。輸入基地は、600万トンを新設し、既存 基地は250万トンに拡充する。既存充填所も強化し、パイプラインは2,000km新設する。 ●戦略的に官民一体となって貯蔵するフィジビリティスタディが行われており、このプロジェ クトで15日分相当の備蓄を持てるようにする。 ●問題点としては、需要見通しと実際に差がでる可能性がある。年4%の伸びを想定している が、不測の事態、計画外の操業停止、余剰製品に出現、ストライキの発生、道路輸送の途絶 もありうる。 ●山岳部、遠隔地、島への配送も困難である。また、需要がかなり伸びているものの、農村部 にもかなりの人が住んでおり、そこにどう普及させていくのかも問題であり、政府のバック アップが必要である。 ●LPガスのインフラ開発に時間を要することも問題である。 ●皆さんの事業のチャンスとしては、輸出先の候補であり、輸入基地の新設/増設、港湾施設の 整備、パイプライン建設等に投資の機会がある。 |
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(調査研究部/亀川 泰雄) |