LPGC WEB通信  Vol.39  2017.06.12発行 

大阪府八尾市で講習会を開催

今回は、大阪府八尾市のNPO法人「関西消費者連合会」(会長 角田 禮子氏)より、同連合
会主催の「消費生活入門講座」の研修項目として、災害に強いエネルギ-としてLPガスにつ
いて学びたいとの要請を受け、約70名の参加者を集めての講習会を開催しました。

主催者の関西消費者連合会は、昭和37年に「商品についての調査・研究、公正な情報の提供
及び普及啓発を通して消費者の利益を保護し、消費生活の向上を図る」ことを目的として創立
され、以来「消費者問題のコーディネーター」として地域の役割を担っています。また、角田
会長は全国組織である主婦連合会の大阪支部長としても活躍されており、更に同氏は、エネ庁
及び弊センター主催の液化石油ガス懇談会(エネ庁・地方自治体・消費者・事業者団体・学識
経験者が一堂に会するLPガスに関する審議会)の近畿地方懇談会では、大阪府代表の消費者
委員として活発にご意見をいただいています。



 会場の「八尾市立くらし学習館」  角田会長による開講挨拶

この「消費生活入門講座」は、昭和55年の開校以来、「いのち」「くらし」「まなび」をキ
ーワードに、自治体(八尾市)と共に取り組んできた啓発活動の一環で、今回で第40回を迎
える伝統のある事業です。連続3日間で、今回は角田会長による「最近の相談事例」を皮切り
に、当センターの講習を含め、八尾市特産品、ゴミ対策、賢い商品選択、小物手作り講座、振
り込め詐欺等、全7講座が開催され、会場を埋め尽くした公募参加の消費者の皆様は、熱心に
聴講されていました。

八尾商工会議所の名本事務局長による、八尾市特産品の講座では、八尾市には、歯ブラシ製造
業、特殊刃製造業、扉の蝶番製造業、布生地の紙管製造業等、生産量国内シェア日本一を誇る
産業分野や企業が、東大阪市と並んで非常に多く存在するとのお話があり、八尾市は古くから
「ものづくりの街」といわれる所以が良く解りました。

受講者のエネルギー構成は、アンケートの回収結果では、80%が都市ガス(大阪ガス)世帯
で、LPガスは7%、オール電化が9%と、大多数が都市ガス世帯の当地ですが、当講習会で
は、「災害に強いエネルギー・LPガス」をテーマに、もともと災害対応力の高いLPガスの
基礎知識や、過去の災害時の教訓を基にLPガス業界が取り組んでいる供給体制の強靭化の現
状を、電気や都市ガスとの比較も交えながら、LPガス本来の有用性を伝えると共に、いざ大
規模地震が発生したときに備え、平常時からの心構えやチェックポイント等について説明しま
した。

教材は、当講習会用に作成したテキストに加え、当センターで発刊した消費者向け小冊子「L
Pガスのある暮らし」を使用しました。コンパクトなA5版なので、LPガスのご家庭では、
キッチンに常備することをお勧めしました。スマートフォンでは、表紙のQRコードからアク
セスし易く、閲覧にも無理のない字の大きさです。


 
 
 当日のテキスト LPガスのある暮らし(画像をクリック) 

更に、東日本大震災で活躍した災害対応型バルクシステム導入例の動画(日本LPガス団体協議
会制作)も活用し、短時間で効果的な伝え方を工夫しました。

FRP容器も展示し、見て触れていただき、都市ガス世帯やオール電化世帯の場合は特に、庭
先でのバーベキュー利用やファンヒーター等で平時も災害時も活用できるLPガス利用形態で
あることと、現在実証試験中で普及にはもう暫く時間を要しますが、期待してほしい旨を伝え
ました。
 
 熱心に聴講される受講者

□開催日   平成29年5月29日(月)13:30~15:00
□受講者   70名
□開催場所  八尾市立くらし学習館

□大阪府   家庭用LPガス消費量  165千トン  (平成28年 日本LPガス協会データ)
       人口        8,826千人 (平成29年4月大阪府推計データ)
       世帯数       3,977千世帯(同上)
□八尾市   人口        268千人   (平成29年4月住基台帳ベース)
       世帯数       123千世帯  (同上)

□講習内容  ①エネルギー政策におけるLPガスの位置づけ
       ②LPガスの基礎知識 - 特徴、輸入、備蓄、用途、料金、契約等
       ③災害時におけるLPガスの役割について
       ④LPガス販売指針
       ⑤LPガスの料金と契約について大切なこと

□受講者のエネルギー構成(アンケート回収分の結果)
       ○都市ガス       44名
       ○オール電化       5名
       ○LPガス        4名
       ○IHヒーターのみ電気  2名


□受講者のご感想(アンケート結果)
 有難いご意見・・・
・災害時に強く便利なことがわかりました。
・災害対応バルクシステムというものがあるという事を初めて知り感心しました。
・LPガスが様々な分野で使われていることが良くわかった。
・プリントと映像の両方を使っての講習でわかりやすかった。
・ポイントのつかみが良く説明が非常にわかり易かった。
・話し方がはっきりしていて良かった。

一方でこのようなご意見もありました。
・今までは地震の時に倒れたり火災時に爆発したりする恐ろしいイメージがありますが、ライ
 フラインが止まれば便利なものだと知りました。これからは少し考えてみようと思いますが
 わが家はスペースがありません。
・FRP容器は各家庭に予備として置けば便利かと思うのですが。
・公共施設での備蓄を希望します。(災害対応バルクシステムのことと思われます。)


講習会終了後、地域FM局の「FMちゃお」(CYAO=Community of YAO)による収録があっ
たことを知りました。当講座の放送が、FM79.2MHz及びインターネットにて予定されている
とのことで、この講座が地域ぐるみの活動であることを改めて感じました。
今後も、LPガス世帯・エリアに対しては、より多くの消費者にLPガスの有用性を再認識い
ただくと共に「かしこい消費者」を目指していただき、また非LPガス世帯・エリアに対して
も、LPガスをエネルギーの選択肢の1つに加えていただくために、その良さを是非お伝えし
たく、講習メニューにも工夫を加えていく所存ですので、講習会のお申込みをお待ちしており
ます。
(広報室/野村 晃久)