LPGC WEB通信 Vol.4 2014.07.08発行
|
平成25年度「液化石油ガス懇談会」学識経験者のコメント集 |
平成25年度の「液化石油ガス懇談会」は、全国10ヵ所で開催いたしました。懇談会で は学識経験者にもご参加をいただき、多岐にわたる分野についてコメントしていただきまし た。販売事業を営む上で、心しなければならない点やお客様とのコミュニケーション、また、 ご商売のヒント等々、大変貴重なご意見・ご指摘が多数寄せられております。 今回はその学識経験者のコメントをカテゴリー毎に分類・整理し、事務局でまとめました。 明日からの販売事業の参考にしていただければと思います。 なお、「消費者委員からの質問・意見等のまとめ」につきましては、『LPGC WEB通信 Vol.1』に掲載されておりますのでご参考にしてください。 |
|
学識経験者からのコメント 全体構成 Ⅰ 事業者・協会等の評価、LPガスへの期待に関するコメント Ⅱ ポリシー・企業倫理に関するコメント Ⅲ 競争環境促進に関するコメント Ⅳ 消費者・消費者団体へのコメント Ⅴ 未来志向に関するコメント Ⅵ 料金問題、料金透明性、料金説明に関するコメント Ⅶ コミュニケーション、情報伝達、PR活動に関するコメント Ⅷ 災害対応、事故・安全に関するコメント Ⅸ この懇談会に対するコメント |
|
Ⅰ 事業者・協会等の評価、LPガスへの期待に関するコメント 1 よい評価・期待 ①頑張っている(LPガス販売店)社員がいる。業界全体で評価し、広報などで積極的に 知らせるべきではないか。 ②ある県協では地震ばかりではなく、水害対策についてもきちんと対策を考えているとい うことなので、大変心強い。 ③東日本大震災では各LPガス協会がその対応に大変な努力をした。敬意を表したい。 ④震災時、被災地にLPガス業者がいるというのは大変重要であり有用である。 ⑤(不幸ではあったが)災害を経験したことでLPガスの有用性が理解された。 ⑥台風の時に停電で大変困った。「LPガスがなくなったらどうなるのか?」という面か らも評価をしたらいいのではないか。 ⑦過疎地や高齢者の多い地域において、LPガスは極めて重要。サプライチェーン・イン フラ整備に取り組むべき。 ⑧過疎地においても生活者がいる限り、LPガス(灯油も)は重要である。 ⑨シェール由来LPガスの輸入開始と国備+民備50日間は大変心強い。 ⑩見守り隊等の活動は評価できる。過疎地や高齢者の多い地域においては、特に重要だ。 このような活動も重要視してもらいたい。 2 マイナス評価等 ①「液石法」では14条書面の交付が義務付けられているが、法律無視も見受けられる。 法治国家とは言えないケースもあるようだ。 ②契約内容について、今一度消費者の納得が得られるように努力してもらいたい。 → 努力不足である ③年一回程度しか顔を出さないような販売事業者は退場してもらいたい。 ④それなりの利益を得ながら、年一回も挨拶に来ないような事業者は撤退してもらいた い。 ⑤今のLPガス業界では、一部の業者のお客様を裏切るような行為が全体の足を引っ張っ ている。 ⑥新規参入業者が絡んだトラブルが多く、消費者から誤解を受けている。これを解決しな ければならない。 ⑦今のような状況でLPガス業界が進むならば、例えば(LPガス)自動車は水素になる のではないか。 |
|
Ⅱ ポリシー・企業倫理に関するコメント ①LPガス業界として販売に関わるポリシー(販売指針)を策定し世間に宣言すべき。 ②企業倫理面からは、業界で販売に関するデファクト・スタンダード(事実上の標準)を 策定し、世間に公表すべき。 ③業界で作った販売指針の精神が活かされていない(無償配管、設備コスト等々の捉え 方)。 ④業界標準として販売指針があるが守られていないのではないか。 ⑤法律は最小限のルール。法律だけを守ればいいというものではない。企業倫理という視 点も重要である。 |
|
Ⅲ 競争環境促進に関するコメント ①本来LPガス料金は斉一化に向かうべきもの。向かっていないということは、競争を怠 っていることと同義だ。 ②「事業者情報と料金および供給可能エリア」情報を(インターネットなどで)提供すれ ば、現状より競争原理が働くであろう。 ③取引適正化を目指して競争する上で最も重要なことは、情報(価格を含むあらゆる情報) をしっかり提供するということだ。 ④お客様が事業者を選択するためにも、諸条件(現契約内容や切替え費用等)について説 明するべき。 |
|
Ⅳ 消費者・消費者団体へのコメント ①消費者団体の方でもLPガスの基礎的な部分を知る場(研修の場)を用意するといいか もしれない。 ②消費者はもっと勉強し、賢くなってもらいたい。「行政や業界の責任だ」と言っている 場合ではないのではないか。 ③(消費者、事業者共に)目先の問題ばかりではなく、長期的なエネルギー問題も考えて おく必要がある。 ④(今日参加された)委員の皆さんは、価格問題についても今日勉強したことを、地元の 消費者の方々に伝えてほしい。 |
|
Ⅴ 未来志向に関するコメント ①関係者間において、LPガスの安定供給、適正価格、安全を守るという部分で相互理解 を進めてもらいたい。 ②事業者にあっては、消費者とよく接触してもらい、十分に説明し、理解していただくと の姿勢が重要。 ③自治体も業界と一緒になって、10年~20年先の(災害も考慮した)LPガス安定供 給ビジョンを考えてほしい。 ④消費者と事業者が賢くなって、はじめて商品としてのLPガスが良くなっていく。 |
|
Ⅵ 料金問題、料金透明性、料金説明に関するコメント 1 料金問題 ①LPガス料金が(地域間、業者間で)極端に違っていると、電力・都市ガスは小さいだけ に違和感が生じてしまう。 ②極端な事業者間の価格差や極端な価格変動は国民生活にプラスにはならない(逆にマイ ナス影響となる)。 ③輸入価格、国内物流(充填所、容器配送)等からLPガス価格を大幅に下げるのは難し いのではないか。 ④LPガス高コストの要因に輸入価格がある。行政においては消費国連合などの取組みが 必要ではないのか。 ⑤現在の自由料金を規制するという意見もあるが、規制により高くなるケースもあり、善 し悪しだ。 ⑥都市ガスや水道と同様、屋内設備にかかった費用(配管・工事代など)を消費者に請求 するルール作りをするべきではないか。 |
|
2 料金透明性 ①自由料金といえども、コスト構成や利益など、ある程度明確にする時期に来ている。 ②都市ガスは総括原価方式の中で利益率は明らかになっている。LPガスも同様ではない か。← 明らかにする必要があるのではないか ③LPガスは自由料金だからコストは明らかにはできない(する必要がない)……との理 屈は通用しなくなってきている。 ④インターネットでの料金公開という意見もあるが、新聞・テレビ等による告知の方がい い場合もある。← 高齢者等はインターネットが不得手 ⑤電気や都市ガスが規制価格の中で、LPガスだけ(石油も)自由料金というのは誤解を 受けるので、何らかの対策(告知など)が必要。 |
|
3 料金説明 ①LPガスは都市ガスに比べ高い。その辺の内容・理由を販売事業者は消費者に伝えてもら いたい。 ②都市ガスとLPガスの価格構造の違いについても、消費者は理解しておく(理解してい ただく)必要がある。 ③原料費調整制度も含めて、新しい料金モデルを作る必要があるのではないか。 ④LPガス価格が高いのは仕方がないとしても、消費者との信頼関係が大切だ。価格の決 め方などを見直すべきではないか。 ⑤LPガスは自由料金であるが、知らない消費者もいるようだ。事業者側の説明不足では ないのか。 ⑥小売価格構成に関して、この中には事業者の利益も入っているとの明示が必要ではない のか。 |
|
Ⅶ コミュニケーション、情報伝達、PR活動に関するコメント 1 コミュニケーション ①最大・最高のコミュニケーション手段は「顔と顔」が向かい合うことだ。 ②お客様と話す時間を「無駄」と考えてはだめだ。まさしく「御用聞き」の時間だと思う ことだ。 |
|
2 LPガスPR等 ①LPガス関連のPRにもっと力を入れるべき。例えば各地でのイベントの活用だ。 ②事業者は宣伝・PRすれば、何らかの(好ましい)反応が返ってくると思っているだろう が、なかなか上手くは行かない。 ③当たり前が故に、良い機器情報を事業者が提供しても素通りしてしまう面がある。 ← のれんに腕押し状態 ④「LPガスは昭和の香りがする」とのマイナスイメージを何としても(何年かかろうと) 払しょくする必要がある。 ⑤消費者は国のエネルギー戦略をあまり知らない。また、LPガスについても同様だ。 もっと知らせる努力を。 ⑥消費者は天然ガス(都市ガス)とLPガスの違いすらあまり理解していない。もっと知 らせる努力をしてもらいたい。 ⑦ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS=LINE、Facebook、Twitter等)の活 用も検討しておく必要がある。 ⑧大学祭では当たり前にLPガスを使っている。学生やその友達、その両親も来る。この ようなイベントを積極的に活用すべきだ。 |
|
3 機器提案等 ①(機器の買い替えなど)必要な状況になれば、消費者ののれんは固くなる(反応してく れる)ものだ。良い情報は、相手がのれん状態でも出し続ける必要がある。 ②宣伝・PR手段はイベントやパンフレット配布など種々あるも、最も効果的なものは「フ ェースツーフェース」だ(配送や点検の機会をとらえて)。 ③エネルギーや機器を選ぶのは消費者であるが、正確な情報を提供するよう努力してもら いたい。 ④エコキュートや電気温水器は放熱ロスがある。エネルギー効率的利用という観点からみ ると無駄である。このような点も消費者に正しく説明すべきである。 |
|
4 教育等 ①「火」を扱えない若者がいる(オール電化の影響もある)。 食育・火育をしなければガスの未来は危うい。 ②「一種の習慣性を早い段階で植えつける」ことが将来の販売には重要だ。 ← 例えば、子供たちの体験学習(火を使っての料理など) |
|
Ⅷ 災害対応、事故・安全に関するコメント 1 災害対応 ①価格・効率だけでエネルギーを選ぶと、災害時大変なことになることも考えておく必要 がある。 ②(災害時対応での)LPガス常設は、消費者との協働事業として捉えるべきである。 ③東京や他の都市部に直下型地震がきたときは都市ガスは大変だ。 対策を今から考えておく必要がある。 ④中核充填所や災害対応バルクの普及も着実に進んでいる。業界にはさらなる積極姿勢を 望みたい。 ⑤大震災の経験では電気がウィークポイント。個人でも分散型の電源(エネファーム等) が必要な時代だ。 ⑥災害協定を行政との間で積極的に迅速に進めてもらいたい。 ← LPガス販売の宣伝文句になるのではないか ⑦事業者の高齢化と後継者問題を片付けないと、災害時の供給体制の強靭化もできない。 |
|
2 事故・安全 ① 積雪地では雪害事故が多い。これを防ぐだけでも事故はだいぶ減少するのではないか。 ②ガスで一番大切なものは保安・安全である。事故は減ってきているが、事業者は更なる努 力をしてもらいたい。 |
|
Ⅸ この懇談会に対するコメント ①時間はかかっているものの、消費者の声が少しずつであるが反映されてきている。この 懇談会の意義もそこにある。 ②この懇談会は大変活発な意見も多く、意義のある会であり、評価したい。 ③消費者・事業者・行政が一緒に意見交換する場は、この会以外にはない。 ← 家電、食品、その他のサービス業界にもない貴重な会である ④この懇親会の機会を活かして、消費者と事業者との新しい信頼関係を築いてもらいた い。 ⑤現行の懇談会は経産局単位であるが、市町村レベルまで範囲を広げることも求められて いるのではないか。 ⑥消費者はもっと意見を聞いてほしいと言っている。懇談会ではその点を事業者に理解し てもらいたい。← 消費者の方々の意見を聞く場。 ⑦立場は違えども、お互いの考えや要望、あるいは説明ができるこの会は大変よい。 ⑧消費者、事業者、自治体等関係者が一堂に集まって意見交換するこのような懇談会は大 変貴重である。 ⑨議事がスムーズに流れている印象がある。本音の言葉が発せられていればよいが。 |
|
(広報室/冨田) |
|
開会のご挨拶風景(北海道懇談会、平成25年11月1日開催) |
|
事業者委員の方々とご発言風景(東北懇談会、平成26年1月28日) |
|
消費者委員のご発言風景(北関東懇談会、平成25年11月26日) |
|
会場全景(南関東懇談会、平成25年11月12日) |
|
|
|
消費者委員の方々とご質問風景(中部懇談会、平成25年12月12日) |
|
消費者委員の方々とご発言風景(近畿懇談会、平成26年2月19日) |
|
|
|
事業者委員からのご説明風景(中国懇談会、平成26年2月14日) |
|
|
|
基調講演の風景(四国懇談会、平成26年1月23日) |
|
|
|
消費者委員の方々とご発言風景(九州懇談会平成25年12月20日) |
|
|
|
開会のご挨拶風景(沖縄懇談会、平成26年2月6日) |