LPGC WEB通信  Vol.4  2014.07.08発行 

LPガス国際セミナー2014報告最終回  Part.4 質疑応答
 国際セミナーの質疑応答は、各講演の直後に5分間、また、全体の講演が終わった後に
「総括質疑応答」のセッションで1時間、それぞれ参加者からの質問に対し、講演者が直接
答える場を設けました。
 ここでは日本のLPガス業界が興味をもち、今後の方向性に示唆を与えるような項目につ
いて掲載いたします。
2日目の総括質疑応答の風景、講演者全員が壇上に

中央で議事を執る松澤議長、左:上平準備委員長 右:岩田総括主任研究員(当センター)

質疑応答に耳を傾ける参加者の皆さん

主な質疑応答
 1 世界の家庭業務用需要について ………… ポーテン・アンド・パートナーズ
 2 WLPGAキャンペーン ………… WLPGA
 3 中東産ガス国から見たCP ………… タスウィーク
 4 VLGC建造費/造船計画と船員不足 ………… クラークソンズ・ガス
 5 韓国の補助金について ………… E1コーポレーション
 6 アジアの石化が生き残るには ………… プラッツ
 7 サウジのLPG輸出/CPについて ………… サウジアラムコ
 8 パナマ運河完工・操業開始時期/新パナマサイズ ………… パナマ運河庁
 9 欧州の商流について ………… SHVサプライ・リスクマネジメント
10 LPガスの安定供給についいて ………… エンタープライズ

1 世界の家庭業務用需要について
ピーター・マニング 氏  ポーテン・アンド・パートナーズ社 コンサルタント

 

 今のご講演はかなり石油化学に特化されたようなお話だったのですが、ただし世界的にL
Pガスの需要は、まだ圧倒的に家庭業務用という部門が大きいのです。特にアジアでは家庭
業務用が多いですし、それから、ラテンアメリカ、東南アジア地域では家庭業務用がこれか
ら伸びていく。その影響がどう表れるのかなということを少しお話しいただければと思うの
です。
 特に今年の冬は、ヨーロッパが大暖冬だったと。これに対してアメリカは非常に厳冬だっ
たということもLPガスの価格にかなり影響してくるのではないかと思いますので、その辺
りの展望を少しお話しいただければと思います。


 私どもの立場としては、もちろんリテールといわれる民生部門でも伸びがあるとは思うの
ですが、ただ北半球に着目すると、短期的な動きではなく、より長期的なトレンドを私ども
は注視しており、確かにアメリカでのプロパン需要は、厳冬で増加しました。それはヨーロ
ッパでも、場合によってはそうなりましょう。
 前回、例えばヨーロッパで厳冬があったときには、確か30万トン需要が伸びたということ
がありました。日本でも韓国でもそういうことはあり得るとは思いますが、もっと大きなト
レンドとしては、やはり市場はかなり成熟しています。昔はエネルギー供給の伸びと言えば
LPガスがかなり大きい部分だったのですが、天然ガスの方が大きなシェアを持っており、
場合によってはLPガスに取って代わるとまではいかなくても、伸び代に関しては、LPガ
スよりも天然ガスの方が高いのです。例えば、中国でも天然ガスによって民生部門のLPガ
スシェアが食われています。
 もちろん急成長している市場というのが、なくはありません。例えばインド、インドネシ
ア、タイは確かにそちらの部類に入るでしょう。けれども、まず、それが長期的に続くのか
どうかが疑問であるということが一つあります。というのは、この一部は、政府の政策とし
ての奨励策、例えば補助金あるいは何か政策パッケージがあってLPガスが伸びたというこ
とがあるからです。
 仮に成熟市場であっても、例えばオートガスがトルコやポーランドではかなり強いのです
が、それも政府のインセンティブがどれくらいあってオートガスを奨励することがあるかと
いうことが、実は大きな要因になっています。
 この先を考えますと、今、急成長しているところも、やはりある程度減速はしてくるでし
ょう。大きなところは既にもう減速がみられており、そして、今、小さいけれども急成長し
ているところもいつかは減速するだろうと考えます。可能性として、ある段階で、例えば世
界の他の地域、アフリカのようなところで今度は成長があるかもしれませんが、そもそも成
長率が高くてもベースが低いので、全体的なグローバルな需給への影響という意味ではあま
り大きくありません。
 別に水を差すわけではなく、ぜひ成長して伸びていただいた方がいいとは思うのですが、
仮に伸びたとしても、新しくLPガスの供給が増えてくるのに見合う分には、残念ながらな
らないと思います。しかも、もともと増えている分はガスベースです。実は小売のところ、
民生市場でそもそも天然ガスが市場でもLPガスをいわば食っているところがありますので、
そこも複雑に絡み合っているということを考えていただきたいと思います。



2 WLPGAキャンペーン
マイケル・ケリー 氏  WLPGA 常務理事 マーケティング推進担当ダイレクター
 

  先ほど、プレゼンテーションの中でも触れられましたが、Cooking for Lifeについて伺い
たいと思います。途上国でLPガスを使ってもらおう、使うような環境をつくるということ
は、LPガスのインフラを整備しなければなりません。それにはシリンダーなどのようなも
のも入っていますけれども、その場合、投資環境を整えないといけないだろうと。企業がそ
ういうインフラに投資できるような環境が必要だろうという点において、具体的にどういう
課題があるか、2~3、伺わせていただければと思います。


 ご質問ありがとうございました。ごもっともな、良いご質問だと思います。
 確かにご指摘のとおり、ターゲットとしているCooking for Lifeの市場というのは、LP
ガス産業のみならず、いろいろな意味でいろいろな課題があります。制度的な枠組みもまだ
未整備だったり、法体制が十分整っていなかったり、歴史が浅かったり、あるいは長期的に
民主主義が安定していなかったり、あるいはそもそも持続可能な開発というコンセプトも新
しいという地域でもあります。やはり世界的な協会として、現場で実際に活動をしているい
ろいろな制度、例えば開発団体、政府などとも協力しなければいけません。国連やNGO、
アジア開銀、アフリカ開銀などとの協力も必要になります。場合によっては政府よりもそう
いう国際機関の方が人々に信頼されているので、そういうところと協力して、例えばガバナ
ンス、あるいは法的な枠組みを整備するということも必要です。
 もちろんLPガスが私どもの主眼なわけですが、LPガスにとって良い投資環境というの
は、実は他の投資にも向くと……いろいろなさまざまな一時的なインフラ整備の投資環境に
もなります。それは結局、その市場の経済成長のために必要なものになっています。それも
踏まえて、Cooking for Lifeを考えているのです。
 すなわち、政府機関、あるいは開発機関等に働き掛けて、きちんとした法体制、管理体制、
そして規制体制をつくってもらいます。その上で、ではLPガスを奨励することがなぜその
国々にとって良いのか、例えばグリッドでの導管網がないような国々にとって、まさにLP
ガスがいいのだということを伝えていくということをしようとしています。
 

3 中東産ガス国から見たCP
サード・アル・クワリ 氏  タスウィーク CEO
 
 
 CPが形成されたというのは、サウジアラビアが1300万~1400万トン輸出してい
た時代の話ですから、多少は変わってもいいのではないかということで、ぜひ、その点を深
めてほしいと希望して、私の質問にします


 必ずしも最大の輸出国ではなくても、プライスセッターにはなれるのです。例えば原油…
…サウジアラビアではないですが、AG(Arabian Gulf)を全部出るものはドバイ経由であ
ると。ということで、プライスセッターになるためには、信頼性を保証するツールが必要で
あるということになります。
 つまり、確実に価格が生産者にとっても消費者にとってもマイナスにはならないというこ
とを証明する必要があるわけです。今現在、アラムコは非常に良い仕事をしていると思いま
す。今後、AGの産油国のどこかが何か新しいフォーミュラを出してくるかもしれませんが、
それはそのときのお楽しみということで、今はそれを判断するときではないと考えます。



4 VLGCの建造費/造船計画と船員不足
ニコラ・ウイリアムズ 氏  クラークソンズ・ガス ガス部ダイレクター

 
 
 スライドで新しい建造コストは相対的に安いとおっしゃっていたと思います。これからの
オーダーということで見ますと、比較的割安に見えるのですけれども、約80億円というの
は安いと言えるのでしょうか。約80億円が約100億円になるということはあり得るでし
ょうか。というのも、船主の多くは船舶の資産価値が上がると思って多分ここに入ったと思
うのですけれども、どうでしょうか。

 
 ガスキャリアシップ・ビルディングの市場というのは、実は規模としては全体の造船市場
の中では非常に小さなものです。これはガスセクターからの需要によって相場が決まってい
るのではなくて、その他のセクターの影響があります。実際に、オーダーは全てのセクター
にまたがって伸びています。それがプライスに影響を与えているわけです。どこでそれが感
じられているのか。例えば、これをインフレ率などで調整して歴史的な水準、6ヶ月前や1
年前と比べると、やはり今は割安です。少し堅調にはなっていますが、ピークだった200
8年と比べるとかなり割安であるというのは、そのとおりだと思います。

 昨日、今日といろいろプレゼンテーションを頂きましてどうもありがとうございました。
その中でも、一つの大きなサブジェクト……話題となっているのが、船の増産計画だと思う
のですけれども、船の増産という物理的なことのみならず、それに合わせたマンニング(人
的配置)の問題も今後浮上してくるのかと思っています。
 その中で、質問なのですけれども、今後、船が増産されることによって、フレートのレー
トにおけるマンニングコストの影響をどのようにお考えになっておられるか。同時に、多く
の船が出てくることによっての船員の確保というところに問題が起きていくのかどうか。そ
の辺りのお考えをお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。


 これは当然、これからも問題で、前回の建造ブームのときもそうでした。特にLNGで今
現在需要があります。これはLPガスだけではなくて、LNGも、そのほかコンテナ船も増
えている中で大変です。もう一つ難しくしているのは、ガス船の操船経験のある人でないと
困るということもありますので、これからはクルー、マンニングということでは、LNG、
LPG両方のセクターで競争が激化するのではないかと思っています。



5 韓国の補助金について
ジェイソン・チャン 氏  E1コーポレーション トレーディングチーム マネージャー

 
 
 
 LPガスがエコで、また熱量も高い。その一方でLPガス車の数が減っている。そして韓
国での全体としてのLPガスの需要が減っているという話でした。一つ質問があるのは、韓
国政府が将来的にLPガスに補助金を出すような見通しは立っていますか。

 どうもありがとうございます。非常に難しいご質問です。
願わくば、政府が何か手を打って、LPガス業界のためになるようなことをしていただけれ
ばいいのですけれども……今のところ、私がお見せしたスライド以外には、特にLPガスに
向けての韓国でのメリットを提供するような取り組みはありません。というのは、大変強力
なロビー活動とでも言いましょうか、主要な石油会社、LNG会社の動きがありまして、韓
国人の考え方としては、どうもLPガスよりもLNGの方がいい、なぜなら価格競争力があ
るからという考え方が一般的だと思います。
 E1コーポレーションは他のインポーター会社と一緒に何とかそれに抗したいと思ってい
るので、できればそういう動きを将来ご紹介できればと思っています。



6 アジアの石化が生き残るには
マックス・ヨン 氏  プラッツ アジア石化 シニア・アナリスト
 

 アジアのナフサベースの石化がこれから生き残る道は、ブタジエンやBTXという分野に
なるとお考えですか。


 なかなか良いご質問です。ありがとうございます。
 ブタジエンなのか、ゴムなのか、BTXなのか。いずれにしても、何しろアジア全体とし
て全て、マージン、利ざやがかなり縮小していますので、一部の供給側はもっと、より高付
価値系の、例えば高品位のものに移行する動きをして生き残りを図っています。結局、生産
量を抑えて価格調整をするというような生産調整もみられています。また、インドなどでは、
政府が反ダンピング課税を課すというような動きもあります。自由化か保護貿易かは、なか
なか難しい問題になろうかと思います。
 例えば、ポリエステルに関しては、中国は生産量を40~50%の稼働率に抑えているよ
うです。なぜこれだけ投資をして、結局4~5割しか稼働しないのかという話になっていま
すので、短期的には技術的な意味でこれを解決するような策はないのかもしれません。けれ
ども、やはり古いものはどんどん廃棄していって、新しい、より良いものをつくっていくと
いうことになるのではないかと思います。



7 サウジのLPG輸出/CPについて
ミシャル・コアボウシュ 氏  サウジアラムコ ダーラン本社 LPGマーケティングコ
ーディネーター

   
 
 
 先ほど、2012年から大体800万トン弱の輸出だとおっしゃられて、これからもこの
輸出量が続くだろう、それは原油の生産量からそうなるのだとおっしゃいました。800万
トンまで減ってきたのはサウジアラビア国内の石化向けの消費が大きな原因だったと思うの
ですが、その国内消費の見通しはどうなのか。そこのところを具体的に、数字を挙げていた
だければ一番いいのですが、それを教えてください。


 国内の消費量がそれほど大きく変わるとはみておりません。先ほど申し上げましたように、
輸出量も変わらないとみております。国内消費ということでも、大きな新しいプラントが建
ち上がる予定もなさそうですし……少しアップグレードはありそうですが、それによって大
きく輸出量が変わるというものでもありませんので、国内消費に関してもそれほど変わらな
いとみております。


 今のそのCPの考え方の中で、競合エネルギーに比べてLPガスの価格変動の大きさにつ
いて、産ガス国としてどう考えているかをぜひお聞かせいただきたい、とりわけ、この数年
間の夏場と冬場の価格差ということです。お答えいただきたいと思います。
 
 
 正直なところ、先ほど申し上げたように、われわれは市場を反映した価格を標榜していま
す。昨日も申し上げましたが、マンスリーのものとデイリーで変わるものは差があるわけで
す。やはりデイリーが常にマーケットを先行することになります。そして相場が下がればC
Pも連動します。CPは契約価格で、ある期間全体に適用されるものです。
 正直なところ私どもとしては、ぜひわれわれを助けてほしい。すなわち、市場に対しての
透明性を求めます。スポット取引に関わっているところがどんどん出てきています。それに
よって市場に透明性が出てきます。CPは発表していますが、状況によってはスポットがC
Pそのものの動きで動いているということです。そうなると、CPの適切なレベルがかえっ
て分からなくなってしまいます。
 そのようななかでわれわれは最大の努力をしています。例えば2週間前もアニュアル・マ
ーケッター・ミーティングをLNGに関して行い、どういう課題があるのかということを検
討しました。市場が変化していることは認識しています。ですので、お客さまとの話ももっ
と密に行う必要があると考えています。既にアメリカからのサービスをモニターすることも
始めています。先ほども申し上げましたが、皆さんに、われわれが競争的であり続けること
を保証します。常に市場にきちんと関わって、それを反映することによって競争力を維持す
る。既にCPはもっとマイルドになっています。原油と比較してBTU(British Thermal
Unit)で見ると100%を既に下回っています。これは、これからもさらにマイルドになっ
ていくと考えています。
 サウジアラムコの経営の方向性としては、とにかく市場を常に反映するということです。
ですので、正直これからの数年はわれわれ、あるいはCPが残れるかどうかの真価が問われ
るところだと思いますが、われわれとしては最大の努力をして続けていきたいと思います。
これで、お答えになっていますでしょうか。



8 パナマ運河完工・操業開始時期/新パナマサイズ
シルビア・ドゥ・マルッチ 氏  パナマ運河庁 液体バルク部門 シニア・マーケット・
アナリス

 
 
 今日のご説明の中で、運河拡張の完工時期についてもご説明いただきましたが、運河庁さ
んのおっしゃる2015年12月完成というのはどうなんでしょうか。物理的に出来上がる
のが12月で、それからトライアルなどが行われて、実際に拡張運河がフルオペレーション
になるのはもっと先ということなのか、それとも、普通に使える状態になるのが2015年
12月とおっしゃっているのか、その辺はいかがでしょうか。


 ありがとうございます。トライアルも含めてです。ですから、2016年1月からはもう
運航ができるということになります


 
 LPガスの小売販売をしています。LPガスについてはVLGCということで、4万70
00トン級の大型タンカーが拡幅後はパナマ運河を通れることになるわけですが、一方で、
LNGについても大型タンカーが、これはどのくらいのタンカーなのか分かりませんけれど
も、通れるようになるのかどうかについてお聞きしたいのですが。よろしくお願いします。
 
 LNGの船舶については、典型的なLNGのタンカーは大体その幅が46~48mぐらい
なのです。ですから、新しい閘門は通ることができます。大型船として大体18万㎥です。
ただ、Q-Flex、Q-MaxタイプというLNGキャリアは、幅が50m、あるいはそ
れ以上というサイズです。こういう船は残念ながら通れません。少なくとも最初の何年間か
は通ることができません。こういう制約がもしかしたら将来的に緩和されて、さらにプラス
1mぐらいまでいけるかもしれません。これはパイロットでの経験によって変わってきます
が、今は最大幅で49m、18万㎥までになっています。答えになっているか分かりません
が。けれども、LNGの船舶の9割は通れることを意味しています。



9 欧州の商流について
エルンスト・ブランドシュテター 氏  SHVサプライ・リスクマネジメント 部長

 
 
 プレゼンでご指摘のように、日本も家庭用の需要が非常にこの先厳しいというのはおっし
ゃっていたとおりなのですが、しばしば日本の中では、小売り料金の高止まりが非常に問題
になっています。
 一つは、ヨーロッパマーケットの小売り料金がどのような仕組みで決められているのかと
いうことをお聞きしたい。やはりその小売り料金について他のエネルギーとの比較において、
例えば日本ではLNGを使った都市ガスよりも4割程度、LPガスの小売り料金が高いとい
うような指摘があります。その中でヨーロッパでは、他のエネルギーとの価格差がどのよう
になっているのか。また、LPガスの小売り価格についてこの先どのように考えておられる
のかをお伺いしたいと思います。お願いします。


 なかなか答えにくい質問をありがとうございました。
 基本的には、やはり導管網のガスとの競争はどうしてもあります。しかも、特にヨーロッ
パにおいては……これは市場で価格設定されているのではなく、政治的に価格が設定されて
いるということです。また、LNGに関しては、卸市場という大口になっていますが、私ど
もヨーロッパで焦点となっているのは、灯油等との競争です。それに関しては、実はLPガ
スの方が有利な状況がありますので、少なくとも今、家庭を狙っているというのはそういう
意味です。
 価格競争力は、私どもの場合は灯油との競争ですので、灯油に対して価格設定をします。
実際に今、私どもはFAHOというタスクフォースを作っています。まさに灯油との競争に
特化したプロジェクトです。今、灯油を使っているところに的を絞って、この2年間でかな
り成果を上げています。この2年の間に、半年当たり6000~7000件の切り替えを実
現しています。これでお答えになっているでしょうか。



10 LPガスの安定供給について
ジェロッド・コッター 氏  エンタープライズ ダイレクター・NGLマーケティング

 
 
 
 
 貴重なプレゼンテーションをありがとうございました。一つだけお聞かせいただきたいと
思います。シェールガス増産に伴うLPガスの増産、それから輸出が伸びるというお話につ
いてはいろいろな前提の上に立っているシナリオだと思います。
 例えば、アメリカ国内の需要が横ばいであるとか、天然ガスマーケットが低位で推移して
いて、リッチなガス田を開発しないといけない、それに伴ってシェール随伴でLPガスが出
てくるという前提の上に立っているシナリオだと思うのですが、万が一、このシナリオが変
わるというリスクがあるとすれば、それはどんなことでしょうか。例えば、アメリカ国内の
プロパンの需要が急激に伸びるなどのリスクがあるのかどうか、その辺についてお聞かせい
ただければと思います。


 リスクがあるとは考えていません。それはアメリカでの生産を続ける一つのチャンスだと
思っています。ですので、LNG型の市場が伸びている。ということで、ガス生産そのもの
は全く問題がないと考えています。
 後半は、プロパンの需要が変わったらどうなるかという質問でした。それもないと考えて
います。予測では、ガスはアベイラビリティーが非常に高い。すなわち十分なサプライがあ
ります。あとは、これを全米に輸送するキャパがあるかどうかということになり、それはも
っともなご質問ではありますが、そういうリスクはないと考えています。


 (調査研究部/岩田)

次回「LPガス国際セミナー2015」は平成27年3月上旬に開催する
予定です。ご案内はWEB通信11月号・12月号でいたします。